多賀城訪問記

岡本様P1060757.jpg
4月23日、多賀城址で記念撮影です。左近の椿、右近の桜です。
しかし、この桜がもっともよく咲いていて、今回多賀城、涌谷の桜は想像通り遅く、
このゴールデンウイーク頃に満開になったと思います。
思いがけず、行く先々で「椿」が盛りで、それも大木のこのような椿がたくさんありました。
震災から1年1カ月余り…。
写真のようなおだやかな光景を取り戻したところもあるでしょうが、多賀城から見下ろすと
うず高いガレキの山が視野に入りました。
嘉摩万葉を学ぶ会を立ち上げて、故郷に錦を飾られた川波さんと、坂本信幸先生の発案で、
昨年決定した「多賀城応援旅行」が、いよいよ実現しました。
遠方ということや、被災地であることもあって、時期や現地の受け入れや、参加者や、
いろんな事情が交差したむづかしい準備でしたが、川波さんの熱意と多賀城万葉の会の
方々の喜びと、共鳴した参加者の心が一つになって、本当に意義ある訪問となりました。
宿泊も万葉旅行では仙台市内ですが、多賀城を基点に、多賀城キャッスルプラザを会場と
して坂本信幸先生の万葉講演会と、引き続き、交流会が行われました。
外部から60名くらい、現地と合わせて100名ほどの方々が、講演を聞かれました。
多賀城の方は、きっと久しぶりに落ち着いて『万葉集』のお話を聞かれたことと思います。
「万葉の花」をテーマに、坂本先生監修の日めくり万葉集の映像もはさみながら、楽しく
学びました。坂本先生も2時間たっぷり話されましたが、きっとこの地でのご講演に感慨も
いっそう深い気持ちで、壇上に立たれていたことと思いました。
交流会では、各故地から参加者がありましたので、特別に全国万葉フォーラムin多賀城交流会
というお墨付きの会となり、多賀城の方々も「万葉ネットワーク」の心強さをしみじみ
感じられたことでしょう。川波さんからお誘いを受けて、私が参加表明をしてから、
ひょっとして…交流会で「歌って」もらえないかと打診がありました。
悩むヒマもなく、山寺さんと園田さんが一緒に行きたいと言うことで、「万葉うたがたり会」
3人娘が揃いましたので??? とりあえずカラオケ持参で、歌わせて頂くお約束は
いたしました。
その後、現地の鈴木さんから「当日を楽しみにしています。岡本さんが来られるのなら、
歌って下さるかも。それなら衣装も着てくださるかしら…と楽しみにしています!」と
プレッシャーのお便りが届き、いよいよ私たちも衣装持参で出かけたような次第です。
岡本様P1060364.jpg
ともちゃん頼みの舞台でしたが、季節がらお花見を楽しみに来たので「桜花」と、故郷
大和を歌う…「大和しうるはし」を歌いました。
山口さんや美佐ちゃん(歌姫)なら感動も深かったでしょうが…。
でも喜んで頂き、アンコールで「サンバDEツバキ」までも歌わせて頂きました。
私たちのステージからみなさんへ「元気の素」が届けば、何よりでした。
交流会の2次会で、多賀城の市議会議長の議員さんにお話を聞かせて頂きましたが、聞けば
聞くほど、17年前の私たちの被災の時と同じような状況が思い重なり、他人事では
ありませんでした。
しかし皆さんの恐怖と被害と絶望の原因は「津波」に集約されていました。
翌日、バスで涌谷町(陸奥山)方面へ万葉旅行をしましたが、百人一首の42番歌の歌枕の
清原元輔の「末の松山」にもご案内頂き、「波こさじとは」のやはり波が越さない
教訓の場所を確認してきました。残念ながら周辺地は開発して土地が低くなってしまって
おり、海岸から4キロ~5キロ内陸部のここまで4メートルの津波が来ていて、がれきが
家屋や塀や、あちこちを傷つけ、水の流れた跡を残しているのです。本当に信じがたい思い
でした…。
多賀城国府跡、多賀城址の高台から町を望み、かつて万葉旅行で訪れたことをなつかしく
思いだしながら、再び来れたことにも感謝し…。
つくしやタンポポが春を告げ、こんなのどかな旅をしてもよかったのだろうかと少し心配
もしましたが、多賀城も日々回復しつつある現状を私たちが確認し、また帰宅してから
みなさんにきちんと報告することも今回の務めであったと思いました。
解散の後、うたがたり3人組で、仙台までタクシーで海岸周辺の被災地を通ってもらいました。
運転手さんも津波で無一文、裸同然となられて復興住宅に住まわれていました。
海岸沿いの住宅と言う住宅は、基礎部分のみが残るまさに廃墟と化していました。
「ここに人の営みがあった」場所とは到底思えない、何もかもが無くなっていました。
逃げようにも逃げられない土地の様子、道、時間…。
絶体絶命のあの瞬間が悪夢であったら…と誰もが思っておられることでしょう。
残酷な悲しい光景でしたが、しっかり目に焼き付けてきました。
避難された方、亡くなられた方、不明の方、みんなのたましひがまだ留まっている土地。
神様はどのようになさるのでしょうか。
言葉の足りない報告記ですが、グルメ編は、ホームページトップでご紹介したとおりです。


0 返信

返信を残す

Want to join the discussion?
Feel free to contribute!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA