仲秋の名月

暦では、きょう9月12日の満月が、「仲秋の名月」に当たります。
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昨日は日曜日ということもあり、1日早く、明日香村の石舞台古墳の前で、第44回の
万葉の明日香路に月を観る会が行われました。
44回というのは、犬養先生が中心となってはじめられた、甘樫丘の観月会からの回数です。
その間、観月会の場所も明日香村の中で数か所変わりました。
最近では、石舞台公園の広場には、「風舞台」という、多目的に使えるステージがあり、
舞台を利用して、講演と、イベントを演出しながら、「月を待つ」「月夜を楽しむ」会
になっていました。
しかし、場所が広大であることや、無料のイベントでもあるため、人数把握がむずかしく、
また、そのための丸抱えの予算措置も大変だったと思います。
そこで今年は、趣向をかえてみようということで、場所も石舞台古墳の前で、
有料の申込制とし(人数も限られてくるので)、観月会の前には、明日香村の遺蹟を散策
するハイキング付きで、催されました。
私は「万葉の歌音楽祭」…後日ブログ報告します。
終了して、関係者と解散したのち、山寺さんと二人で、観月会に参加しました。
ちょうど西の景色が素晴らしく…。犬養先生がお月見で講演されている間に、付き人の私は
いつも石舞台へ登ってこの夕陽を眺めていたことを懐かしく思い出します。
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6時頃に石舞台へ入園すると、古墳の前にステージと客席が設けられていました。
関村長のご挨拶の時は、まだこんなに明るく、しかしこの背景の素晴らしさにまずうっとり
しました。
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そして、明日香村の文化財課の相原さんの散策の最後の個所として、石舞台に関連した
お話をしてくださいました。その時に、月が顔をだしましたよ!
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そして八雲琴の演奏は、若い伝承者とベテランの奏者との大所帯の演奏ですが、単一旋律
がよく揃い、所作も揃ってまるで振りつけられているかのごときでした。
今まで、何度もいろんな機会で聞かせて頂く、八雲琴ですが、やはりこのような静かな
明日香村の自然の中での響きは格別に感じました。ピンクの衣装が華やかで素敵でした。
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そしてメインイベントは最後に 橿考研の菅谷文則先生のご講演でした。
いつもながらの軽妙な表現と自然体のお話しぶりは健在でした。(笑)少し息遣いが
荒い?のには、心配致しましたが…。
タイトルは「月には人がいるか?兎がいるか?」
宇宙衛星からかぐや姫まで、また中国の地域性による伝説の違いなどを伺い、興味深く
聞き入りました。「竹」についても詳しくなりました!!!
菅谷先生と「月」です。
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写真は下手ですが、ここでの「月」の演出力はすごいです。ましてや本物だし…。
お昼は、また暑さがぶり返し、真夏のような日差しとなり再び日焼けした人も多かったよう
ですが、さすがに日が落ちると、わずかな時間の間に、しんしんと冷え込み、山寺さんは
座った時は「暑い」と言ってたはずが、「寒~い!」って。
そういえば、朝準備の時の芝生がびしょぬれでしたが、「朝露」と聞きました。
朝晩と日中では、それくらい温度差があるんだ!
「万葉の歌音楽祭」というイベントを終えて、ほっとした気持ちも手伝ったでしょうが、
このこじんまりとした石舞台での共有時間は、すごく密度の濃い、「明日香の月夜」を
独り占めしている気持になりました。
月が出た時から、私は「月」イコール犬養先生との会話が始まりました。
「先生素晴らしい十五夜になりましたね。明日香村でこの夜を迎えられたことは幸せです。」
草の匂いがなつかしく、虫の声だけが響き、月の後に満天の星が…。
そして余計な光がないので、美しい緑の里は漆黒の闇に包まれましたが、「月の光」だけが
鮮明で、明るく感じます。
そこに照らし出された蘇我馬子の墓!!! めちゃドラマチックでした!
今回は何か、お月見の原点に戻れたような…。シンプルイズベスト、大成功です。
きょうは、自宅から観る満月。仕事の帰り道に見えるかな。自宅からはベランダで
おだんごでも食べようかな…。
平成10年の犬養先生のご葬儀の日は、仲秋の名月でした。ご葬儀には行かず、明日香村の
観月会で「月」を観て先生を偲ばれた方が何人かいらっしゃったことを思い出します。
先生、いいお月さまですね。「旅の秋」か、「手慣れの小琴」歌いましょうか。
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