村政報告会に参加。

明日香村の森川裕一村長が就任されてから、7年目という。来秋にははや第3期目となる村長選挙があるそうだ。時間の経過は無情なほど早い。犬養先生のご縁で歴代の村長にお目にかかっているが、特に関義清前村長には、私が晩年の犬養先生に随行して行動していたことに加えて、犬養万葉顕彰会で「記念館建設」や、村内の犬養歌碑の建立などの諸案件にもオフィシャルな交流があり、長いご縁から今でも個人的にお親しくしていただいている。

森川村長とは面識もなく、犬養万葉記念館が閉館するかもしれないという情報を得て、驚いた私たちは、犬養万葉顕彰会の役員がそろって抗議と、説明を求めて2013年冬に明日香村に申し入れをした。その時にお目にかかったのが最初である。その時の森川村長の明日香村の村づくり構想のご説明は大変納得のできるもので、村長見解としては、犬養万葉記念館はなくてはならない、使命を持った館なのだとご説明を頂き、記念館存続のための努力を求められた私たちは、大いに共鳴をし、ある意味では戸惑いを感じながら、退席したことを思い出す。その時の押しかけで森川村長には「犬養先生」に対する意識が特に強まられたのではないかと思っている。そして翌年3月、「私」に晴天の霹靂でもあった記念館の指定管理者としての打診がはじまった。村長となられて2年目のことだ。

記念館についてもアートビレッジ会場として使用してくださったり、来春は飛鳥のアーチストの展覧会「匠の会」の開催など、明日香村の公的な行事にも活用してくださるようになり、記念館運営の側面協力もあり、私たちは民間サービスの立場でそれらにふさわしい対応ができるように努力しているつもりだ。そして村長がこの館の意義を熱く語ってくださったときのような、記念館のあるべき役割を果たし、しっかり存在意義を発信していきたいと思っている。


私も年1回この時期に開かれる村政報告会に参加するようになって、今回で3回目である。そして、ゲスト講演に漫画家里中満智子さんが登場された。
里中さんのお話の中で、「飛鳥ブランド」についての言及があったが、みんな客観的な立場の者が思う「宝のもちぐされ」的課題である。たまたま最近世間をにぎわせたパワハラ問題も村長がある意味「飛鳥」であるがための注目事案となったことを残念だと語られたが、よくも悪しくも「飛鳥」は日本の明日香村なのだ。
時代の変化とともに、世代交代をはじめ、役場の新築・移転や、住宅開発・誘致、教育内容のレベルアップなどすべての面で明日香村も節目の時期を迎えておられる。問題は山積みだ。
森川村長のビジョンが実現するように、役場に従事する方の奮起を求める一方、明日香村民の理解と協力を大いに期待している。
報告会の後、里中さんとお目にかかれた。お忙しくて、今年生誕1300年記念にと依頼を受けた「大伴家持」を執筆される予定が大幅に遅れて焦っておられるそうだ。今年で70歳を迎えられると聞き、変わらぬ女性らしさとおだやかさの中に、どこにあれだけの作品群を描かれるパワーが潜んでいるのだろうと、私には少し励みになった。

森川村長の知恵・人脈・行動力がうまく発揮されることを願っている。