松岡剛宏さん、ブラボー!


9月10日、フェスティバルホールで「マーラーの交響曲第8番」の演奏会に伺いました。私のクラシック感については有名曲はともかく、知識も乏しく、音楽の好みとしても自分なりにはっきりしているので、特に「マーラー」はほとんど機会がありませんでした。偶然、明日香村在住の声楽家の松岡剛宏さんからご案内を頂きました。なんと交響曲最後の8番「千人の交響曲」と名付けられた大曲のソリストとしてご出演されると知り、これは拝聴したいと思い、予定をしていました。談山神社の長岡宮司や等彌神社の佐藤宮司は大のマーラーファンで、雑談ではマーラー談義が行われるくらいお好きです。どれを聞いても同じようにしか聞こえない(情けない)私は、ともかく松岡さんの舞台を拝見したいと思い出かけました。平日にもかかわらず、大ホールはほぼ満員で、相愛大学のオーケストラ、バルティカ混声合唱団など、バックを固める演奏者もなかなかのメンバーでした。
合唱団に子供たちの合唱隊も加わり、オーケストラの人々と舞台はまさに過密状態。それでも1,000名の半分弱くらいの規模の編成でした。
この8番は「宇宙が鳴り響くありさま」と表現されていましたが、合唱も器楽の1部として組み込まれていることの実感を非常に強く感じました。私個人の感想なのですが、やはり「はじめに言葉ありき」なのだと思います。舞台正面に字幕が出て、訳された言葉が音楽とともに同時に頭に入ってくるので、臨場感が半端じゃないのです。「神を賛美する」「主により頼む」私たちの日常が謳われていることの感動と、信仰心をもって作曲されたマーラーの音楽に対する目からウロコという感じでしょうか。と言って旋律は頭に残っていないのですが・・・。(笑)
そして、8人の選ばれたソリストの中で、素晴らしい歌を聴かせてくださったバスの松岡さん。経験上いろんな機会がおありだとしても、この大舞台で、また素晴らしいバックに支えられてソロをされることの緊張と感慨や、喜びはひとしおでいらっしゃったことと思います。もちろん8人のソリストの方々もそれぞれに個性や声色や、タイプの違うことで、声楽家としてのプライドの火花も散っていたことと思います。マリア様の演出はよかったですねえ。演奏後は感激で涙が出ました。
最近教会へ行くのをさぼっている私、それでもこの音楽を聴きながら信者であることの誇りを感じました。そしてマーラーっていいやん!と思えるようになったことが進歩です。しかしながらに明日香村に素晴らしい音楽家がおられることについて、松岡さんを大いにアピールすべし!です。本当によい機会をありがとうございました。(しかし、マーラーをCDだけで聞いたらまた退屈するかも・・・(笑))