大学百合まつり~等彌神社ご神事

8月18日は30数回目となった「大学百合まつり」が開催された。明治時代の詩人堀口大学が等彌神社に「高砂百合」の種を寄付されたのがきっかけとなり、爾来花が咲き、定着していったことから「等彌神社の花」として大事に育て、神に祀る「百合まつり」がご神事として行われてきた。私も2013年に初めて参列して以来、できるだけ参加させていただいている。来賓として大学氏の令嬢、すみれ子さんが参列されるが、
今年は、もうおひとり、神社の中にも大学と友情文学碑のある文豪佐藤春夫氏の孫娘であられる桃子さんが、初めて参列され、思いがけず堀口大学、佐藤春夫両氏の文学者の交流のなつかしい思い出話をいろいろ聞かせていただく機会ともなった。佐藤宮司の司式によって厳かに捧げられたお祀りは、談山雅楽会の本格的な雅楽の流れる中、めずらしい「かけ玉串」奉奠をしたり、儀式ののちは、拝殿前で、桜井市混声合唱団の奉納合唱があったり、残暑の厳しい時間ではあったが、境内を吹き抜ける風は心地よく、良い時間を過ごさせていただいた。直会にはもちろん「三輪そうめん」の振る舞いがあり、新たな地元発信の物品を目指す、香り高い桃のビールで乾杯した。初めて参列された桃子さんは、厳かで盛りだくさんで、盛大なご神事に大変感激されたご様子だった。
私は、桜井市混声合唱団の演奏が楽しみで、特に「桜井市歌」を誇り高く歌われる姿に羨望と敬意で聴かせていただいている。今年も暑い中、素敵な歌声が境内に響いていた。
等彌神社は、「令和」で注目を集めた大伴家の管轄の荘園地にあり、大伴邸の1の門の礎石が、神社の鳥居の基礎になっているという。森深い境内には、大伴坂上郎女の歌碑や、「鳥見山」の万葉歌碑もあり、大学・春夫の碑など、文化遺産も豊かで私は大好きな場所だ。次は紅葉のライトアップの時期に皆さんを誘いたい。