越前市味真野苑にて

万葉カレンダー4月の植物は「しの」です。4月1日から越前市万葉館ではじまった犬養万葉記念館との故地交流展のご報告をしたばかりですが、カレンダー写真も偶然に私が昨年越前市の味真野苑で私が撮ったものですので、「4月」と言うタイミングの良さ?にちょっとびっくり。「しの」は小竹・細竹・篠の字があてられますが、竹類であり、しなるような細い竹のこと。春がやってきたので、小竹の梢に尾や翼を触れながらウグイスが鳴いていることです・・・と春の光景の中でウグイスの鳴き声が聞こえてくる歌です。『万葉集』には、林のような竹もあれば、クマザサのようなササ、そしてシノと万葉びとが歌の中で植物の形状をよく観察して使い分けていることに気づかされます。味真野は竹の種類も多く、風の揺らぎ、木のしなり、木々がかすかに互いに触れ合う音など、実際に体感できることが楽しいです。そして鳥の声も・・・。

ただいま交流展では「万葉植物を楽しむ」というテーマで、越前の里の地元で身近にある万葉植物にぜひ気づいて頂きたいと思いテーマを掲げました。5月に向けてこれからは味真野苑でも「ふじ」「しょうぶ」(あやめぐさ)、「あやめ」「ちさ」などが次々と咲き、華やかな季節を迎えます。ゆっくり庭園を楽しめるようなそんな平穏な時期を早く取り戻したいものです。