身に添え我妹
平成13年、小学校の100周年の記念に建てられた万葉歌碑は、作者未詳の巻11の
「物に寄せて思いを陳べたる歌」の中の1首です。
庶民の生活の中の恋愛歌ですが、子供たちに向けて「赤土の粗末な小屋に
雨が降って、床が濡れてしまった。私の身に寄り添いなさい・・・と恋人を
気遣う男の歌」と万葉人の思いやりをメッセージされています。
「彼方」(おちかた)と言う、富田林では珍しい地名が、万葉集にも詠まれて
いたのは、偶然だったと思いますが、この地にとってはゆかりの歌となったことは
私たち万葉ファンにとってもうれしいことです。
人名でもなく、大阪の地名であって欲しいと、この万葉歌に着目し、考証を
続けられた、彼方小学校の小学校長も務められた北村久夫さんは3月末に
帰天されましたが、その思いは万葉歌碑と共に、彼方の地に留まられることでしょう。
彼方小学校の校門を入ってすぐのところに万葉歌碑があります。
日曜にも関わらず、校庭では野球少年たちの声が響き、活気がありました。
この子供たちは歌碑のごとく、きっと思いやりのある優しい人に育ってくれることでしょう。
校庭で、花の咲いたコノテガシワを見つけました。
帰りに「彼方」を守ってくださる??春日神社に表敬訪問をし、雨上がりの午後、
ちょっとセンチメンタルな気分に浸りながらの散策ができました。
「石川」を越えましたが、北村さんのことを考えながら歩いていたので、
直の逢いは 逢ひかつましじ 石川に 雲立ち渡れ 見つつ偲ばむ (巻2ー225)
の挽歌が思い出されました。そうだ、北村さんのアドレスは確かhitomaroでした!(笑)
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