犬養万葉記念館恒例の若菜祭

4月の最初の日曜日に行われる今年は、4月7日。
珍しい雨の朝でした。明日香村の桜はどんなかな、石舞台のオカモ桜は?と楽しみに
出かけましたが、生憎の雨に加えて、寒くもあり、見ごろまでもう一息でした。
いつものように午前中は、犬養万葉記念館に有志が集まり、飛鳥坐神社の飛鳥弘文宮司に
ご神事をして頂きます。
天候が悪かったため、祭壇は記念館の中に設置。
「弥栄」「安泰」を願って頂き、いつもながらのいいお説教をしてくださいました。
               DSC01690.jpg
全員が玉ぐし奉奠をさせて頂き、今年も記念写真です。森川村長になられてから、ご出席が
かなわないことがとても残念に思っています。参加者も年々少なくなり…。(ちょっとさびしい)
               DSC01698.jpg
午後からは、場所を中央公民館に移し、記念講演会と万葉朗唱の会があります。
私は午後からTSUBAICHIで、山口ひとみさんのライブコンサートの予定と重なってしまった
ため、ご神事だけで、失礼しました。
犬養万葉記念館の庭の先生の歌碑が雨に濡れてかえって味わいがあり…。
また万葉歌碑の歌にもある、やまぶきの花の咲き初めにも出会い、ちょっとほっこり気分。
               DSC01696.jpg
               DSC01693.jpg

猪名川万葉の会、春の万葉旅行

毎月の第2水曜日は、猪名川万葉の会の講座日ですが、4月は11月の秋の万葉旅行に続いて、
2度目のバス旅行で、鳥取市の因幡地方へ出かけました。
日帰り強行軍ですが、3月23日に新たな高速道が開通し、より近く、より早く到着できる
ようになりました。
今回は因幡万葉歴史館や因幡国庁跡など、大伴家持の巻尾の万葉歌1首でふるさと創りを
されてきた、「国府町」を目的に出かけました。「ふるさと」など、唱歌の作曲家、岡野貞一さん
の出身地で、童謡・唱歌の「わらべ館」や、鳥取砂丘など、有名な観光地もありますが、
私たちは「あらたしき 年の初めの 発春の 今日降る雪の いや重け吉事」の歌に
こだわり、天さかる鄙の地に国守として赴任した大伴家持の心を旅に求めました。
私たちが学生の頃から訪れていた万葉歌碑の場所で、まず記念撮影です。
               ぶろぐ3.JPG
案内をお願いしていた因幡万葉歴史館の学芸員の鎌沢くんの転勤で、急遽来て下さった
観光ボランテイアさんが、な、なんと、元国府町町長の木村肇さん。
国府町が鳥取市へ市町村合併後、引退されていたが、余生をこのように率先して地元貢献を
しておられるなんて、感激しました。
それにしても、私たちも偶然とはいえ、史上最強のボランティアにお世話様になれたことに
心から感謝しています。
木村さんありがとうございました。
ブログ2.JPG
               ブログ.JPG
時間が限られた中で、今回の目玉は「万葉衣装体験」と「朗唱」でした。
猪名川では、講座が始まってちょうど1年ですので、万葉行事やイベント情報なども
ご紹介している最中なので、今回はチャンスだと思い参加者全員で体験してみました。
最初は遠慮がちだったみなさんも、いやはやすっかりその気になってくださり大成功!
男性もよくお似合いでした。犬養先生の歌碑の前で全員で記念写真!壮観です。
ぶろぐ4.JPG
日帰り旅行の限界もあり、国府町の中だけでも、あとは池田家の墓所だけ。
因幡一宮の宇部神社にも行きたかったのですが、遥拝でごめんなさいでした!
私の思いがかない、猪名川万葉の会の方々をお連れできたことで、満足しています。
『万葉集』の巻尾の大伴家持の歌1首を支えに、歴史発信、古代ロマンでふるさと作りを
してこられた国府町というものを、万葉を学ぶ方たちに見て頂きたかったですし、
明日香や大和地方ではない、万葉歌の背景を訪ねる「旅」として、よい経験をして頂けた
ことと思います。
そして、猪名川万葉の会の秋の旅行は「淡路島」に決まりました。

やっぱり忘れてた! 若菜祭

何か大事なこと…と、思い出しました。
4月7日は、山口さんのライブと、明日香村の犬養万葉記念館の若菜祭とが重なってしまったので
私は朝からの記念館神事だけ参加させて頂きました。
犬養先生の記念日には珍しい曇ったような雨のぱらつく朝でした。
明日香村の桜はどうかな…と思いながら、やはりまだちらほら。
1週間ほどしたら満開かなと思わせる感じ。でも記念館の庭の犬養歌碑にある「山吹」が
咲き始めていました。
               DSC01693.jpg
               DSC01696.jpg
天候が悪かったので、飛鳥弘文さんの司式は屋内に準備された神棚の前で行われました。
               DSC01691.jpg
残念だったのは、必ず参加してくださった明日香村村長が、関さんと交替されてからは、
一度も参加してくださっていません。(2回目)
やはり「犬養先生」とのご縁が薄いせいでしょうか、前村長のような思い入れが少ないのは
仕方がないことかもしれません。
でもあえて来て頂くことで、明日香村と犬養先生について意識を深めて頂きたいと切に
願っております。
飛鳥弘文宮司の心尽くしのお説教を頂き、いつもながら感謝です。
今年は犬養先生の15年命日祭の年でもあり、記念館の弥栄を心から祈りました。
               
               DSC01698.jpg
そして、TSUBAICHIサロンへ移動したというわけでした。
大事なこと、書き忘れました。犬養先生ごめんなさい!(汗)

駆け抜けた日々、つづき。

3月25日はさすがにサロンへは行かず、久しぶりに整形外科のリハビリに…。
「よくなったら、てきめん治療には来なくなる!」と言われましたが、そうではなくて、
時間がとれないのが現実です。(痛いときは仕事どころではなかったですから…笑)
3月26日は、朝から大岡美佐(ちゃん)さんの秋のリサイタルの会場の下見と、チラシ、
ポスターの写真撮影もあり、「社長業」の1日。
28日は、山口ひとみさんが、ライブコンサートでお世話になっている心斎橋のアートクラブへ。
紹介者の方とオーナーのコンサートがあり、お礼もかねて表敬訪問に行ってきました。
そこでは、大阪場所を終えたばかりの関取「豪風」がタニマチと一緒にお客さんとして
来店しておられました!
体格の良さで目を引いて、お相撲さん大好きの私は大興奮!ニンマリでした。
意外な話題も楽しいものです。
そして3月29日は準備してきた「堺万葉歌碑の会」の歌碑めぐり万葉バス旅行。
堺万葉歌碑の会では代表の澤田富美子さんが、毎年春に歌碑めぐりを行っておられますが、
思いがけず、6月にご長男のおられる茨城県へ転居されるご決心を伺いびっくりしました。
高齢になられてずっと懸案の事柄だったようですが、堺の居宅も処分して、ご子息がおられると
いいながら、余生を新天地に求められることの勇気と決断に、澤田さんらしさを感じますが、
きっと万葉歌碑をはじめ、与謝野晶子関連の行事や、多くの人脈などに未練や執着もおありの
ことと思います。
サロンでの親しいお付き合いもそうですが、犬養万葉顕彰会で長年ご一緒に役員をやってきた
お仲間でもあり、お別れにあたって「私にできること」として、今春の堺万葉歌碑めぐりを
主催させて頂くことにしました。
できるだけ多くの方に澤田さんと一緒に「堺万葉歌碑」を見ていただくこと、澤田さんの
親しい方々にできるだけ参加して頂き、送別会を行いたいという目的のもと、結果的に
大型バスで56人が集合してくださいました。
そして、大仙公園のレストハウスもず野で、食事・懇親会と送別会の機会を持ち、犬養先生に
こだわられる澤田さんに贈呈した記念品は、今度転居される万葉故地、「筑波山」にちなみ
犬養先生書の高橋虫麻呂歌を彫り込んだ飾り板で、参加者全員の費用から出させて頂きました。
さわだ.jpg
また、澤田さんがお世話になられた恩人をお招きし、はなむけの言葉を頂きました。
もう93歳になられた和歌山大学名誉教授の角山榮先生、与謝野晶子研究家の入江春行先生、
沖縄から、堺市の広報も担当されていた、万葉愛好家の情報冊子「たまづさ」の編集長
岸本千賀子さんなどご参集くださり、私のほうが、感謝でいっぱいでした。
澤田さんも喜んでくださったことと、一抹の躊躇もあった、余計なおせっかいイベントに
少しホッとしました。
全体.jpg
       149.jpg 
転居されるまで、私たちのサロンイベントにも参加してくださるようですし、ご自身が
大阪でやり残したことを…とまだまだ意欲満々です。
この澤田パワーに圧倒されながら、年を重ねてもなお何事にも取り組んでいかれる「情熱」
は、見習わなければとつくづく思いました。
そして翌日30日は「甲南女子高校23回生の還暦同窓会」当日でした。つづく。

西宮まちたび博(まちあるき)西宮まんにょう

昨年は、プレ行事として、行われた西宮まちたび博。
観光行政のスタートとして、「西宮」の再発見、西宮市民への認識を深めるために
行われたいくつかのプログラムの中に「万葉」も滑り込み、セーフ。
そしていよいよ、本番の2012年にしのみや町たび博が、今も行われています…が、
私の担当した「西宮まんにょう」も再び企画して頂き、昨年を踏まえて相談した結果、
歩くコースは半分にして、西田公園の万葉植物苑をメインに「万葉」に親しんで頂こうと
いうことにしました。
出発も上り坂ではない、阪急苦楽園口を出発し、南へ下りながら、ウオークしました。
(もちろん名次神社は重点ポイントで最初の見学場所でした!)
30分ほどのウオークで、西田公園に到着し、私たちが図ったのは、「万葉人」体験です。
明日香村から衣装を借りて、ほぼ全員の方に試着体験をして頂き、犬養先生の万葉歌碑の
前で記念写真を写しました。サプライズ企画はいかがでしたか!!!
万葉植物園では、今年も万葉うたがたり会の協力でともちゃんと美佐ちゃんに出演して
もらい、「西宮慕情」や「秋の七草」などを歌唱してもらいました。
そして西宮万葉から、植物園の「万葉植物」にちなんだ万葉のお話などもできたので、
西田公園が「万葉植物苑」であったことを初めて知られた方もおられたので、
いい意味で地元万葉施設のPRになったことをうれしく思いました。
万葉植物苑が作られた当初から、現在まで20数年間万葉植物の種類は「72種類」と謳われて
いますが、私たちはまちあるきで昨年、今年と「73番目」の植物を確認しています。
それは「思ひ草」です。ナンバンギゼルと呼ばれる「恋い慕うように首をうなだれる」姿の
その花を全員で鑑賞することができました。
よかったあ。
               DSCF2851.jpg
このまちたび博は、2012年の年度末まで続きますが、万葉うたがたり会の出番もなくちゃと
来年2月、西宮市の恒例の万葉セミナーで、山内さんの講演会に割り込み、講演とコンサート
の2本立てで楽しんで頂くことになりました。
2月17日(日)、2月19日(火)の2回出演チャンスがあります。
どうぞまたお申込みいただき、夙川公民館へ来て頂きたいと願っております。

萬葉学会臨地研修旅行から…。

10月22日~23日の1泊2日で「万葉旅行」が行われました。
犬養先生がご存命の頃は、犬養先生がご案内をされて、行われていた万葉旅行ですが、
今は坂本信幸先生が代表でいらっしゃるので、坂本先生が万葉の大和路を歩く会の講師でも
いらっしゃるように、積極的に万葉旅行の引率をなさっておられることも幸いして、昨年と
言い、今年もなかなか貴重なコースを組んでくださっていました。
例年なら、万葉研究者の方々も学会が終わると早々に帰られる先生方が多かったそうですが、
今年は旅行希望の申し込み者が多く、すぐに締め切られたとか。
万葉旅行「通」の私が、万障繰り合わせて来たかったくらいですから…(笑)
22日
浜田駅ー伊甘神社ー下府廃寺跡ー石見畳が浦ー石見国分寺跡ー大崎鼻(辛の崎)沢瀉歌碑ー
都野津柿本神社・犬養歌碑ー島の星山人丸神社・高木歌碑ー島の星山頂上・坂本歌碑ー
静の窟ー鴨山(斉藤茂吉記念館)茂吉歌碑ー益田着(泊)
23日
高津柿本神社ー県立万葉公園ー戸田柿本神社ー長門市、金子みすず記念館ー角島ー新山口着
という行程でした。
ホームページにも帰宅直後にご紹介した、真島海岸。
♪石見の海 角の浦廻を 浦なしと人こそ見らめ 潟なしと人こそ見らめ…
お天気も素晴らしく、また特別に灯台に上り見た最高の光景。
               DSC00487.jpg
萬葉学会設立の初代代表の沢瀉久貴先生の万葉歌碑が、辛の崎にあります。
断崖のそばですが、美しい海を臨んだいい場所に建立されていました。
               DSC00471.jpg
そして、都野津の柿本神社には、犬養先生の大きな立派な歌碑が…。
141基の歌碑の甘樫丘に次ぐ2番目の歌碑です。かつての人麻呂の松は枯れてしまいましたが、
きれいに公園整備がされていました。
               DSC00497.jpg
島の星山のふもとには高木市之助博士の歌碑が…。味のある文字です。
               DSC00506.jpg
そして、9月1日に除幕されたばかりの坂本信幸先生の歌碑。流麗な文字は変わりませんが、
1字が大きな彫りの立派な歌碑が建立されており、感激。
坂本先生は島根県のアドバイザーでもいらっしゃるので、一番いい場所の歌碑建立は
きっとご褒美???だったかもしれません。
               DSC00518.jpg
そして、お昼ごはんを食べる時に、ヒトマロさんとヨサミちゃんの大歓迎を受けました。
               DSC00528.jpg
食後には、石見相聞歌をもとに、墨絵で作られた紙芝居を上演してくださいました。
このようにボランティアの方々で、工夫をして、地元のよさみ姫の悲恋を語り継いで
おられました。
ゆるきゃら大好きな私は、またまた仲良しに…。
午後からは、阪大万葉旅行でもなつかしい鴨山に向かいました。

9月8日「瀬戸内文化を考える会」シンポジウム報告

あわただしく9月が過ぎていきます。
ブログ更新もままならないまま、バタンキューの毎日。反省の日々です。
さて、今回で3回目?かなと思いますが、高岡市万葉歴史館館長の坂本信幸先生が
中心となられて、友人でもいらっしゃる龍短歌会の歌人、小見山輝氏の協力を得て、
古代からの交通路として重要な役割を担っていた「瀬戸内海」について、海洋学者、
万葉学者、歌人、郷土史家、各地の万葉愛好グループなど、各分野の方々が一堂に会し、
瀬戸内海の文化の歴史を学んだり、魅力を再確認する「勉強会」を起ち上げられました。
今年は、広島県の呉市の大和ミュージアムを会場に、
九州大学応用力学研究所教授の柳哲雄先生「」と
              DSCF7311.jpg
明治大学大学院特任教授、神野志隆光先生「神武天皇東征路としての瀬戸内海」の
お二人の基調講演と、
              DSCF7315.jpg 
引き続き、パネルディスカッションが行われました。
              DSCF7322.jpg
そして、長時間のシンポジウムの、気分転換にと万葉うたがたりのミニコンサートの出演依頼
を頂いていましたので、当日の最後のプログラムとして出場させて頂きました。
              DSCF7330.jpg
呉市には、偶然坂本先生と親しいご友人が住んでおられ、そのご長男が、雅楽演奏家(篳篥)
でおられることから、コラボ演奏をしては…との提案で、事前打ち合わせはしておりましたが、
当日リハ、そして本番…という大胆なコラボ演奏をさせて頂きました。
篳篥奏者は三浦元則さんとおっしゃる20代の青年です。お若くても実力者として、多くの
舞台経験をしておられました。大河ドラマの平清盛にも出演されていたそうです。
「篳篥」という楽器でもあるので、私も格調を感じる曲をと「大和し美し」を選曲しました。
大岡美佐ちゃんの歌唱とも違和感なく、初めて聞かれた方にもみなさまには「作品」として、
しっかり聴いて頂けたことと思います。
DSCF7366.jpg
(初めてユーチューブに載せてもらいました。また見てくださいね!)
http://www.youtube.com/watch?v=lqI2ZIlxnGc&feature=channel&list=UL
呉は過去、犬養先生の倉橋島の万葉歌碑を訪ねた時に訪れた場所。音戸の瀬戸を通って、
車を走らせた思い出が記憶に残っています。
今は、NHKの大河ドラマ「平清盛」の効果大で、「瀬戸内海」の各所が平家物語の
関連故地ということで、いろんなところで「清盛」ツアーの案内を目にしますが、
呉市もまた、「大河ドラマ史上最大の海上ロケを敢行した場所」として、巨大帆船のロケ船
を桟橋に展示してあったり、清盛が沈む夕陽を扇で招き返し、1日で切り開いたと言われる
「音戸の瀬戸」には、ドラマ館ができていて、ロケで使用された和船、衣装・小道具なども
展示されているそうで、びっくり!
(そういえば、7月の香川県坂出市の時は、悲運の崇徳上皇の流され、亡くなられた土地と
して、ゆかりの土地めぐりのコースがありました。ふむ。)
私の実家のあった「神戸市」はもちろんのことで、福原や、須磨、大和田、行政、鉄道会社、
船会社、旅行会社、いろんな団体がツアーや、イベントの企画に熱心なのは肌で感じて
いましたが、この度も瀬戸内沿いに移動するたび、「清盛」を本当によく目にしました。
「瀬戸内海」を熟知していたはずの平氏が、結果的に源氏に敗れたことは、まさに自然界で
起こった「時の運」が、まさに源氏にあった…ということを柳先生も述べられましたが、
これは目からうろこの「納得できる」一節でした。
最後に、開始前の昼食会場が、大和ミュージアムに隣接した中央桟橋にある「椿庵」という
レストラン。
呉市の「花」が椿だそうです。それを聞いて呉市が大好きになっちゃいました。
ついでの話。料理の「肉じゃが」は海軍の厨房が発祥のだそうです。ほんと?
若い美佐ちゃんは、戦艦大和の歴史に涙し、広島の平和記念館に立ち寄って帰りました。
私と山寺は、翌日のクルージングツアーで「古代の瀬戸内海航路」を体験。
それぞれが、充実したよい「旅」機会でした。(続く)

万葉歌みじかものがたり、出版記念会。

みじか本.jpg
学生時代に犬養万葉を聞かれてから、「万葉活動」が人生のライフワークになれらた
方は少なくありません。
このたび、『万葉歌みじかものがたり』を出版された中村博さんも、お仕事の第1線を
退かれた後に、心に残る万葉の灯を再び燃やされたおひとり。その延長線上の偉業です。
犬養先生の名著『万葉の旅全3巻』に登場する「万葉故地」309か所をまわられ、先生の
写された写真の場面、故地を追われるうちに『万葉の旅今昔』として全国掲載されたすべての
写真を検証してみようとすべての比較の写真を撮られました。
その達成感と共なる虚脱感から、次に山内英正さんの『犬養孝の万葉歌碑』の本に触発されて、
全国にあるすべての犬養万葉歌碑を訪ねられて、写真に収められました。
その達成感と再びの虚脱感…から、ついに大阪弁で万葉集を訳してみようということに。
それは、『万葉集』の注釈書が万葉歌に忠実なあまり、肝心の「歌心」が伝わらないのでは
…と常々思っておられたことと、若い世代に身近に受け入れられるための手段として、挑戦
されたというのは、万葉の魅力を若い人たちに「音楽」を通して伝えたいという私も同じ、
共通の思いです。
出版社が決まるまでに時間がかかられたようですが、「訳」はできているそうなので、
今回8月に2冊目が出版され、第10巻まで2~3か月に1冊の割合で、出版されて店頭に
並んでいくそうです。すごい!
私たち犬養万葉門下として、是非お祝いを兼ねた記念会をしおようと言うことで、サロンを
会場にすることもあり、私が代表世話人ということで、出版記念会を開催させて頂きました。
一部は、中村さんの「万葉人生」ともいうべき、今日までの道のりなどを講演していただき
ました。
               P1070960.jpg
2部の祝賀会では、中村さんに「生きがい」を与えた『犬養孝の万葉歌碑』の著者、山内
英正さんはじめ、親しい方々のお祝辞など、食事をしながら和気藹々と楽しく集いました。
中村さんが阪大の混声合唱団出身とはつゆ知らず、犬養先生の甘樫丘の1号歌碑建立の時に
中村さんはOBで、山内英正さんは新入生で一緒に黛敏郎さんの「万葉歌碑の歌」を合唱
されたとわかり、中村さん、山内さんを中心に全員で「万葉歌碑の歌」を合唱しました。
いや~、思いがけない混声合唱団の先輩後輩でした。
               P1070978.jpg
おっとりとされた奥様の内助の功、お嬢様の作られたクッキーの引き出物など、中村家の
様子もよくわかり、出版にあたってみなさんの理解があって、中村さんの夢が果たせること
をうらやましく思いました。
10巻まで楽しみです。
中村さんのおだやかなお人柄と、情熱あふれる偉業に心からエールを送りながら、
私も「元気」を頂きました。犬養パワーのせいかもですね。
おめでとうございました!!!
               DSC00115.jpg

私の夏休みI N 筑前

善は急げ?とばかり、スケジュールの隙間をぬって、7月の末日に
1泊2日の旅をした。
昨年6月に久しぶりに飯塚市を訪れ、嘉麻万葉を学ぶ会の講座に参加したが、
大久保廣行先生のお話を聞くのが精一杯で、ゆっくりできなかったので、桂川町の
犬養先生の歌碑まで足を伸ばすことができず、気になっていた。
(大宰府の坂本先生の新碑は、篠原夫妻のご案内で確認してきた!)
九州地方は梅雨前後からひどい雨が続き、大分県や宮崎県の惨状を見て、直前まで
行き先の変更も検討したが、北九州は大丈夫ということで、出発した。
コースは、博多を拠点に、志賀島ー大宰府ー桂川町ー飯塚市ー嘉麻市ー大野市・・・と
レンタカーで動いた。
桂川町の歌碑は、犬養先生の生誕100年の時期に合わせて、嘉麻万葉を学ぶ会が中心と
なって、王塚装飾古墳館の前庭に、
「道の辺の 草深百合の 花笑みに 笑みしがからに 妻と言ふべしや」の碑。
山内英正さんの次女が誕生された時に、犬養先生が御祝に贈られた「百合」の色紙から
文字をおこされた「万葉歌」が選ばれた。
白いきれいな歌碑だったが、平成20年の建立から4年半。
やはり雨風のせいで、少しずつ石の風格がでてきた。
王塚装飾古墳館では、平時観覧できるビデオニュースがあるが、「高松塚発掘」の
ニュースの中に犬養先生の映像があるので、歌碑が建つ前から古墳館で「縁」を
感じられた方があったかもしれない。
また、入り口では、生誕100年祭の時に川波さんが中心となって、飯塚市歴史資料館でも
展示された「犬養先生の紹介パネル」が今もなお、ここの歌碑の揮毫者と言うことで、
引き続き展示されている。ありがたいことだ。
古墳館のキャラクター「古代くん」と一緒に記念写真!
               DSCF7128.jpg
飯塚市の歴史館は展示替えで休館中だったが、飯塚市ではじめて誕生した憶良の歌碑、健在なり。
後ろの育った木々も盛夏にちょうどいい木陰を提供し、静かな里にはセミの声が響いている。
「本当によかった!いい碑ができて…」。再び納得!
               DSCF7135.jpg
周辺の犬養歌碑はきちんと訪ねようと、車を走らせたが、やはり大雨の傷跡が目立ち、
川の堤防が壊れていたり、橋が修復中であったり、「水の勢い」を実感する場面が何箇所か
見られた。
稲築公園は、万葉歌碑のコーナーを中心に、花壇の手入れや整備がますます施されて、
皆さんが大事に世話をされている様子が気持ち良い。
この暑い盛りにこれだけたくさんの満開の花が咲いていた…。心豊かなひととき。
               DSCF7181.jpg
夏女の私であり、実際に気温も日差しも暑いが、それを上回る「気持ちよさ」がある。
公園の高台の広場には、野外舞台もあり、誰もいなかったので久しぶりにクラシックバレエ!
DSCF7177.jpg
そして、「いなつきの、なつきちゃん」という河童の家族にお邪魔虫。
               DSCF7171.jpg
大宰府は、初日に中西久幸さんのミッションで、移転の「万葉歌碑」の確認取材をしたが、
私は、「霧立ちわたる」大野山にのぼろう!と言うことで、四苦八苦しながら道を探し、
もちろん展望の高所と、野外研修場となっている山中まで何とか行くことができた。
森の「涼しさ」は夏の避暑地であることを実感。ひぐらしの声を聞くこともできた。
空と森のシンプルな景色に大感激! 大地から、自然に飲み込まれたいような気分!
               DSCF7258.jpg
2日ですっかり日焼けしてしまったが、夏ですもの、平気、平気???。
やはり「万葉故地」は古代のエネルギー、パワーがあふれている。
明日からまたがんばれそう!!!と夜半帰宅。
翌日は8月のサロンのオカモゼミで、何食わぬ顔で、日常に戻ったところが切ないなあ。

旧暦「立秋」

8月7日は、仙台などではこの日に「七夕祭り」が行われる、旧暦の七夕の日です。
先月は、交野市の中で神社や七夕に関わる名所旧跡で、いろんな「七夕行事」が行われました。
ご案内を頂き、TSUBAICHIからもオカモゼミ有志で参加し、地元で活躍中の毛利さんに
終始引率して頂いたことは、すでにブログにも書いた通りです。
さて、1ヶ月後の8/7は、交野市の市民対象の七夕まつりが行われ、天野川に沿った緑地公園で
各地区でそれぞれに競うように、「七夕」「地元」「光」をテーマに、会場を演出しておられました。
また特設野外舞台では、パフォーマンスをしたり、芸能を発表する場所も作られていました。
またお祭りに欠かせない多くの屋台が賑わい、手作り雑貨のバザールなど、普段は静かな
天野川の周辺が、盛夏の猛暑にもめげず、人があふれ、交野市民がここに全員集合したのではと
思えるほど、熱気にあふれて、活気づいていました。
私たちは「光」のオブジェ見学が1つの目的でしたので、夕方をめざして出かけました。
少し秋風?も吹き、落ち着いた風情になっていて、ラッキー。
               DSC00001.jpg
行った時と帰りの風情がこれだけ違います。モデルは中西久幸さん!
               DSC00027.jpg
もうすぐ名物の春日大社の中元の燈火会や、京都の大文字焼に象徴されるように、夜の
「暗闇」に映える「光」の価値は、今や「光の芸術」と化して、いろんなところで、
いろんな時期に「光の回廊」やオブジェや、灯篭など、イベントの1つとして体験することが
大変多くなりました。
教会に籍を置く私としては、「光は私たちの足元を照らす神の導き」と感じる貴重な
「ともしび」としての思いがあるが、夜に「光」の美しさや暖かさで人に感動を与えると言う
ことは、やはり、人の心に染みいる、それに通じるものがあるのだと思います。
近年のブームで、光の芸術のレベルは目を見張るものがありますが、交野市の点灯は、
市民の参加と、協力と、結束を象徴した素朴な作品群で、地域社会のコミュニテイの崩壊が
嘆かれる中で、今日めずらしい、またうらやましいような地域性を感じました。
「音楽」も流れるユニークな手彫り作品
               DSC00016.jpg
私の選んだショット!ねっ。
               DSC00009.jpg
私と山寺です…。
               DSC00018.jpg
昨秋緑地にできた万葉歌碑の前にも…
               DSC00012.jpg
秀逸だったのは、人を集めて七夕伝説を語られるオジサンが、話に合わせて手作りの
糸釣り人形で、クライマックスにするするとカーテンを引くように糸を手繰ると、離れて
いた牽牛、織女の人形が、しっかり「ハグ、ハグ!」
「合体というと下品なので…」と笑いを誘っておられたが、なんて楽しい!
見にくいですが1枚!
               DSC00024.jpg
交野市と「逢合橋」歌碑で、ご縁ができましたが、おかげでいろんな行事にお誘い頂き、
楽しませて頂けることに心から感謝です。
「交野市」が大きな市ではないだけに、かえってまとまりがあり、市民に対する目も行き届くのでしょうね。
自治体の在り方や、町作りに対する民間との関わりなど行政の姿勢も見えるし、また住宅地の
ブロック毎の結束や協力体制には、敬意を感じました。
私たちも、「災害や孤独な生活」などに不可欠なコミュニテイの必要性、重要性も見据えて、
しっかり見習いたいものです。
毛利さん、このたびもいろいろお気遣いを頂き、ありがとうございました。
               DSC00011.jpg