万葉うたがたりコンサートatサロン

5か月ぶりのTSUBAICHI看板行事の「万葉うたがたりコンサート」。
1月には、古事記撰録1300年を記念して、「因幡のしろうさぎ」を絵物語と歌で紹介
しながら、コンサートを致しました。
今回、引き続き「古事記から…」とご期待もあって、仁徳・磐姫物語など、どうかな…と
考えたり、また、島根県の万葉フォーラムに合わせて「人麻呂と依羅娘子」の物語もいいかも
とあれこれ思いながら、時を過ごしていました。
だんだん時期が迫ってきて、メルマガなど、皆さんへの告知の時にやっとテーマを決定した
ようなことでした。
というのは、迷いながらいるところに、7月1日に香川県坂出市から、また9月2日に瀬戸内の
文化を考える会からコンサート依頼を頂き、きっと遠方ゆえ来れない方の方が多いのだから、
プレコンサートのように、関連の瀬戸内海の万葉歌をご紹介するコンサートにしよう!と
思い立ちました。そして、今回の万葉うたがたりコンサートの内容になったわけです。
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プログラムは、瀬戸内海の様子を知って頂くために資料の地図を付けて、その示した故地に
今回歌った万葉歌のタイトルを入れ、さながら船旅のように楽しんで頂きました。
思いがけず、万葉うたがたりのメンバーに好評で、自ら歌っている場所がより自覚できたと
喜んでくれました。
また、ずっと懸案だった大伴旅人の「鞆の浦」で詠った「むろの木」の歌を形にしたくて
新曲発表させて頂きました。ともちゃんが歌う!?鞆の浦ワルツです。
そして、坂出市でご披露するメイン曲、沙弥島で柿本人麻呂が遭遇した行路死人への挽歌、
「狭岑島挽歌」をしっかり聞いて頂きました。
四国には万葉歌は少ないですが、この歌は人麻呂が詠ったことで、故地としてもたいへん
注目されてきました。私たちも瀬戸大橋がつく前から何度も訪れています。
万葉うたがたり会では、ちょうど瀬戸大橋が架橋されたころ、コンサートをさせて頂き、
それ以来のコンサートです。
坂出市市制70周年の記念事業の中の1つとして「万葉故地」発信も入れてくださいました。
そして出演させて頂ける私たちは本当に幸せです。
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大曲であること、またドラマチックな歌であることから、フルメンバーで出演予定です。
サロンでの万葉うたがたりコンサートも、あれこれやりたいこと、また、挑戦したい企画が
まだまだあり、時間とも闘いながら、『万葉集』をいかに味わって頂くか…と楽しく精進
していきたいと思いを強くしています!
このたび、サロンに来て頂くお客様で、とってもセンスがよくて、趣味で生花やアート・
シルクを始め、アレンジフラワーを楽しんでおられるヤングミセスの西堀さんに出会い、
サロンの雰囲気作りのご協力を頂きました。
コンサートのイメージで、「海」です。サロン所有の船は洋風でしたが…(汗)
とってもいい感じ…。また素敵な人の輪が広がりました。
まさに平成の海石榴市!をめざして、これからも出会いが楽しみです!
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西堀さん、ありがとうございました。今後ともよろしくね!

山口ひとみ&宮川真由美ライブ

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ホームページのトピックスでご紹介した通りです。
私たちのサロンTSUBAICHIのカルチャー看板娘、万葉うたがたりの歌姫、山口ひとみさんの
コンサートを開催。サロン3周年記念にふさわしい記念イベントとなりました。
ちょうど11月に予定している山口さんの歌手生活20年の節目のコンサートの舞台を一緒に
演奏してくださる方々が出演してくださいましたので、「プレライブ」という表現に
なりました。
まず私がご挨拶させて頂きました通り、今回は「サロンの運営をしている側の私や山寺が
楽しませて頂く」イベントを企画しましたので、本当に楽しみにしていました。
宮川さんのご好意で、お忙しい中、何度も打ち合わせや音合わせにサロンへ来て頂き、
またクラリネットの鈴木さんは、その音楽作りのプロセスから後に出演が決定した次第です。
宮川さんは、私の友人が万葉JAZZと呼んで、私の作曲した万葉歌を中心に、歌手活動
をされていますが、もちろんTSUBAICHIでも2回コンサートをされました。その時の
ピアノ伴奏者として来られたのが、宮川さんでした。
面識ができていましたが、宮川さんの演奏活動の広い範囲と人脈は、私たちの人脈とも
重なるところが大いにあり、まさに神様に感謝ですが、このたびの直接のきっかけは
加藤ヒロユキさんのステージを見に行った時のこと。音楽総監督が宮川さんでした。
ピアノのプレイヤーだけではなく、バンド編成、楽曲のアレンジまで、すべてをこなされる
マルチアーティストであることを知りました。瞬間的に、また私も山寺も同時に
「山口ひとみ」コンサートの舞台のキーマンはまさに「この人だ!」と思ったことが
すべての始まりです。
プレライブを企画した時から、宮川さんの出演を聞いて、私たちの身近にも宮川ファンが
多いこともよくわかりました。
この二人の出会いはやはり神様の計画だったのではないでしょうか。
さてコンサートにご来場くださった方々! 本当に素晴らしいライブでしたね。
山口さんの歌も今回すでに宮川さんによって、選曲のジャンルや、歌い方も変化していました。
山口さんも宮川さんの音楽的要求に応えた、普段以上に丁寧でのびやかな歌唱だったと思います。
プログラムがあっという間に進んでいき、本当に見ごたえのあるステージでした。
そして、山口さんと宮川さんが、サロン3周年のお祝いに、アンコール曲として、私の作曲
した万葉歌の「恋歌」を準備してくださっていました。
お二人の心遣いに、思いがけなかった私は、感謝とうれしさで不覚にも涙を流してしまいました…。
本当に素晴らしいステージをありがとうございました。心からありがとう…でした。
TSUBAICHIの3周年で、私自身が「サロン・空間」に響く最高の音楽を味わうことができ、
幸せでした。いまだに試行錯誤のサロン活用ですが、しみじみやり甲斐を感じました。
そしてみなさんに支えられている実感もひしひしと伝わった日でした。
この日の夜には、3周年記念祝賀パーティを開催しました。つづく。

万葉うたがたり新春コンサート

今年2012年のサロンの最初のコンサートは、「万葉うたがたり会」の歌い初めとして、
開幕いたしました。
年末年始は準備ができそうで、また、時間が足りないような気持ちの上で、落ち着かない
時間を過ごしました。
そして、サロンTSUBAICHIの年初も万葉うたがたり会の練習から…と、意気込みの新年と
なりました。
第1部は、有名な『古事記』の序の場面から始め、遊劇体の坂本正巳さんの扮する太安万侶が
元明天皇に献上するところから物語はスタートしました。
そして『古事記』の中で有名な「因幡の白兎」のエピソードを中心に、絵本を岡本流に脚色を
加え、オオクニヌシが、出雲の神になるまでをご紹介しました。
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ちょうどお客様に小学生のお嬢さんが来ておられたので、理解できたかなと反応が気になる
ところです。
しかし、私としましては、『万葉集』をもっとい若い世代に広げていきたいということが、
ずっと懸案の課題ですので、小さなお客様の来場はうれしいことでした。
第2部は、いつものように私の気ままな万葉うたがたりです。
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新年ということもあり、古代には、よいしるし「吉兆」とされる「雪」をテーマに万葉歌を
ご紹介いたしました。
冠雪の姿を思いやる富士山はもちろん、越中の立山の雪の歌や、わずかな雪に大騒ぎの
天武天皇と藤原夫人のコミカルなやりとりの飛鳥の雪、梅の花と見まがうかの雪、
「はだれ」お表現された雪など、私の歌を通していくつかの「雪景色」を楽しんで頂きました。
多くのお客様が来てくださり、本当にありがたいことでしたが、万葉うたがたりの仲間も
心地よい緊張感の中で、楽しく演奏ができたようでした。
バイオリンの村田さんは、いつも以上におだやかな気持ちで演奏ができた…と言ってくれましたし、
山寺さんも準備で忙しい中、練習不足も気になりながらの演奏だったけど、気が付けば
口づさみながら楽しく演奏していた…と述懐してくれました。
みんなそれぞれに思いをもって臨んでくれたことがうれしい私です。
ともちゃんと山口さんは、1部で挿入したなつかしの歌などの歌唱もあり、負担も大きかったの
ですが、二人の息がぴったりと合った、素敵な歌声はみなさんを魅了したはずです。
2012年の万葉うたがたりもスタートを切り、サロンに、各地での演奏に…と今年もしっかり
活動をしていきたいと思います。
私は新曲を作りたい意欲にかられており…!!!
ご来場のみなさまからの「応援パワー」を頂き心から感謝しております。
そうそう、みなさまにわれらが福娘から「お年玉」をお配りしたのですが、これは
TSUBAICHIのサポーターでもある水谷さんからのプレゼントでした。
それは、鎌倉にある銭洗い弁天で洗い浄めて頂かれた「お金」を水谷さんが1つずつ
丁寧に包んで作られた親しい方々への「お守り」です。
手作りで、まだまだご友人ために作っておられるそうで、コンサートには来れないけれど
サロンの来場者の方にぜひ…と人数分を提供してくださいました。
お客様に特別の「福」を持って帰って頂けましたし、そのようなお心遣いをして頂き、
本当にありがたく思いました。水谷さん、ありがとうございました。
それでは本日の記念写真を一枚。太安万侶の坂本さんも一緒です。

11月19日、ハーモニカコンサート

遅ればせのアップが続きます。
高校2年生の天才ハーモニカプレイヤーのコンサートをTSUBAICHIで開催しました。
ご紹介頂き、9月のツバイチ音楽会の時にご家族で下見に来てくださいました。
そして、その時に1曲聞かせて頂いた時に、久しぶりに鳥肌が立ったというか、思いがけず
ドキドキとするような演奏に出会いました。その感動から、こんな素晴らしい演奏会は
めったにない!とみなさんに積極的にご案内をさせて頂き、おかげさまで満員御礼の
来場者に恵まれました。
出演してくださった岡直弥くんは、四条畷の緑風冠高校の2年生です。
クロマチックハーモニカという、右手でスライドレバーを操作して、4オクターブの半音階を
操って演奏できる優れたハーモニカは、私たちが子供の時に小学校で使用した形と違う、
「魔法の楽器」でした。
彼は現在、頂点目指して精進の真っ最中ですが、12歳で世界ハーモニカ連盟日本支部コンテスト
3位を皮切りに、毎年上位入賞を重ね、今年はとうとう、ジャズポップスとデユエットと、
小アンサンブルと3部門で第1位入賞を果たし、総合グランプリの栄誉に輝かれました。
しかし、おごったところのない謙虚な好青年で、その姿にも敬意を覚えました。
当日は、第1部で、奥野勝利さんというキーボードのパートナーとともに演奏。
抒情歌から、演歌、ラテンまで幅広い演奏で、観衆を魅了してくださいました。
キーボードの奥野さんも、オカリナ演奏で、共演してくださったり、自身の作詞作曲された
メッセージソングのご披露もあったり…と内容の濃いプログラムとなりました。
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もうひとつ、私たちが「ハーモニカコンサート」を企画していたのは、蓄音機で聴く
ハーモニカの名演奏でした。
過去2回、中西久幸さんにSPレコードの演奏を蓄音機で聴かせて頂いていますが、今回は
ハーモニカコンサートで…とお願いしたところ、快くご協力くださいました。
加えて、このコンサートを知られた岡君のハーモニカの先生である、吉村則次先生が
来てくださり、「ハーモニカ」についての種類や知識や歴史、またSPレコード演奏曲の解説
などもしてくださり、思いがけないマニアックなにぎわいとなりました。
SPレコードで録音されたハーモニカ音楽は、復音ハーモニカで、半音が出ない演奏でした。
「名曲」が、半音がでない伴奏がつけられているので、ハーモニーの印象が全然異なり、
「迷曲」となっていました。(笑)時代とともに、楽器の改善や種類も変わり、演奏が
整ってくるのですね。
そして、わずかな時間しかSPレコードの演奏は聞けなくて残念でしたが、その「なつかしい
音色」に親の世代を感じたり、思いがけず子供時代を思い出したり…と地味なひとときと
思いきや、蓄音機で聴くハーモニカ演奏は大きなインパクトがあったようでした。
そして、最後に「生の演奏」を…と岡君に、コンクールなどで演奏された曲をソロで…。
私たち大人をこんなにしびれさせる情感豊かな演奏は、どうして生まれるのだろうか…と
うらやましいような、不思議なような…。
今後の成長が本当に期待される素晴らしい演奏会でした。
高校生で、進路に悩む年頃のようです。分野の少ないハーモニカを志すのなら、私は世界へ
飛び出し、羽ばたくことがいいのでは…と無責任ですが、思います。
世界でもまれながら、ビッグになっていってほしいと願います。それだけの才能がある!
日本のアーチストではなく、世界のアーチストになれる人だもん。
きょうは、記念すべきTSUBAICHIコンサートとなり、本当に「音楽サロン」として、
質の高い、稀少な音楽をみなさまにご提供できたことを心からうれしく思います。
ただし、岡君が下見に来られた時も、きょうのこの日も大雨! 雨男は誰だ!!!(笑)
岡君、今日は本当にありがとうございました。
またの機会をぜひぜひ楽しみにしていますね!!!!!

日豪短歌朗読コンサートを終えて…。

11月13日(日)には、TSUBAICHIプロデユースによるイベントがありました。
そもそもは、奈良女子大学大学院で出会った田中教子さんのお手伝いを…ということでしたが、
構想の企画が行事としてスケールも大きく田中さんお一人で運営するのが大変…という
サポーター役から出発しました。
田中さんは、高校生の息子さんのおられるお母さんですが、病気で休学を余儀なくされ
ながらもご自身の「歌作」のためにも必要と、大学院で『万葉集』研究を続けておられます。
私も奈良女子大学の大学院で、田中さんが復学される頃に出会いました。
さすがの私でもなかなか若い人にもうまく馴染めず、もたもたしていた時に、初めて学食へ
ランチに誘ってくださったのが、田中さんでした。それから大学院では何かとお頼りして
おりましたら、2008年に中条ふみ子賞を受賞され、将来を期待されておられる歌人である
ことを知り、現代短歌にはなかなか踏み込めない私でしたが、少しずつ興味も出てきましたし、
それがきっかけとなり、以後私も奈良女子大の短歌会にも出席させて頂いております(汗)。
田中教子さんの「歌集」について、ユニークであるのは、オーストラリアの翻訳家によって
英訳され、第1集の「空の扉」も第2集の「乳房雲」も、短歌本文と英訳とが記された「新しい」
短歌集が出版されていることです。
そのようなご縁から、田中さんが日常活動をされている「アララギ派大阪学生歌会」の
仲間たちと一緒に、合同歌集「月林船団」で発表された歌を中心にみんなで短歌朗読を行い、
またそれぞれの歌を英訳してお伝えする…日豪短歌朗読会を行われることになりました。
加えて、「左手のピアニスト」として活躍しておられる智内威雄さんに協力をして頂き、
ピアノ演奏をコラボする「コンサート」を行うことになったのです。
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私も気安くお引き受けしたものの、内容が複雑になってくるに従い、プログラムの流れや、
舞台の展開や、出演者が「個々」であることから、時間もなく最後まで本当に心配が
付きまといました。
そして最終的につらつら椿株式会社として、この行事を演出させて頂きましたので、
「社長」の私は、存在感を保ちつつ(笑)、1日がんばって取り仕切りました。
「短歌を作ること」と、声に出して「朗読すること」を体験してみて、練習のときからも
そうでしたが、声に出すと短歌に「表情」や「背景」や「ドラマ」が浮かび上がってきて、
とても面白いのです。短歌が「ポエム」になるというか・・・。
聞いていた私も感じましたが、朗読経験された歌人の方々が、朗読してみて自分の「歌の
完成度」に不満を持たれたり、他の人の朗読を聞いて、文字の歌と違った表情を持つことに
感心されたり、いろんな発見がありました。
また、コラボしてくださった智内さんのピアノは、個々の歌人の「歌世界」を作りだして
くださり…。本当にユニークで面白い、また「歌」の深さを思い知らせる機会でした。
『万葉集』を声に出して朗唱する私たち。まさに言葉が躍りだすような経験をあらためて
させて頂きました。
月林船団の歌人の方々の更なるご活躍を心から願っています。
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当日、オーストラリアから、田中さんの歌を英訳された翻訳家アメリアさんの急な欠席で、
もうお一人のオーストラリア在住の翻訳家でもあり、歌人である小城小枝子さんだけの
来日でしたが、オーストラリアでの短歌普及や、直訳でない英文短歌の試行錯誤や「工夫」
など、興味深いお話を聞かせて頂きました。急遽舞台ではパートナーとして田中さんが協力
してくださいました。
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力不足の私たちに、オリジナリテイあふれた企画を無謀にも演出させて頂き、光栄に
存じております。
これからは、田中教子さんの歌人としての大成も楽しみだし、若き歌人たちの活躍も楽しみです。
サブタイトルの「調べへの回帰」の通り、しみじみ古代から現代に至るまで「歌」と
「音楽性」の表裏一体にあらためて再確認し、感心しました。
田中さんの大学院での教官だった坂本信幸先生も気になっておられたのでしょう。
万葉引率旅行のあと、その足で打ち上げ会場に駆けつけてくださいました。坂本先生も本当に
律儀でお優しい!
それでは、みなさま、お疲れさまでした! 次回は我がサロンで「朗読会」はいかがでしょうか。

交流展・コンサートと記念講演

交流展の展示物が搬出されて、急に淋しくなったサロン。
しかし、昨日は、いつものように、ヨガ教室でにぎわいました。
交流展のイベントとして30日(土)に高岡市万葉歴史館館長による記念講演を企画して
下さいましたが、サロンのTSUBAICHIが万葉うたがたり会の拠点でもありますので、
もちろん私たちもコンサートで花を添えたいと思い、前座を務めさせて頂きました。
しかし、展覧会の最中で、楽器準備は無理だろうということで、歌姫のみの出演と
なりました。(カラオケオーケストラで歌いました。)
私の誇るベスト歌姫たちです。
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もちろん「高岡旅情」で幕開け。あとはサロンの越中ワールドにあり、能登の民謡の
「しただみわらべうた」。そして、越中三賦(組曲)です。
カラオケはCDのものを使いましたので、弦楽四重奏の格調のあるサウンドでご披露できました。
私も歌を聴きながら、視野にある展示の絵画、版画、万葉歌の景色に心を馳せることが
できました。ぜいたくな時間でした。何とこの様子は、高岡市の万葉歴史館へライブ放送を
されていたそうです。インターネットの世界はますます進化しているようです。
変則的コンサートでしたので、私は出演できなかったので、普段着でいるのも不自然かもと
思い、万葉衣装もへんだし、悩んだ末、30日は、季節がらの「ゆかた姿」で登場させて
頂きました。小粋なマダム風情で・・・。(笑)
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記念講演をしてくださった坂本信幸先生は、オープンの26日にテープカットして下さり、
お忙しいにも関わらず再度ご足労頂きました。さすがに人気の講演に申し込みも多く、
坂本人気を実感します。
「越中万葉の魅力」というタイトルでしたが、日めくり万葉集のDVD映像なども含めて、
大伴家持の歌について話してくださいました。
具体的に「春苑桃李」の2首のうち、「春の苑 紅にほふ 桃の花…」の歌について
坂本先生の指示により、檀ふみさんの朗詠にも反映していましたが、この歌が2句切れか
3句切れかということについてです。もちろん過去の研究史も比較しながら、春の苑が紅に
輝いている説、3句切れならば春の苑の紅に咲いている桃の花…とみる説を挙げられ、
先生は、2句切れとして解説してくださいました。
そして、漢語「紅桃」について、漢籍の引用なども紹介して下さったが、結局「紅にほふ」は
連体格と見るべきで、2句切れと理解したいとのご意見でした。ふむふむ、そっかあ。
そして、大学院でも万葉歌が漢籍の影響が大きいことから、文例や引用の分析などの作業が
苦痛と言うか、本当に大変でしたが、それで裏付けされることが結論ではなくて、私が
うれしかったのは、坂本先生が、漢籍の影響が非常に大きいことは事実であるが、それだけ
ではなく、日本人独自に作りだした文字表現というものもあったであろうと話されたことでした。
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「万葉仮名」に工夫された表現や、漢籍の影響下にあって、古代の日本人がそこから生み
出した文字表現があることの方が、享受した自然な文化である気がしました。
『万葉集』の魅力って、きっとそう言うところにあるのだと思います。
ご講演は、レジメすべての消化はできませんでしたが、みなさんこの歌は2句切れ!という
ことをしっかり頭に入れて帰られたことでしょう。
坂本先生、ありがとうございました。
オープンのお手伝いの時の高野副館長に代わって、関研究員が加わり、おかたづけ部隊が
揃われました。
坂本先生を中心に、会話や行動やその他、新谷、垣見、関さんの3人の研究員さんの絶妙の
トライアングルの関係には感心して拝見していました。(笑)
でも高岡市万葉歴史館でも変わらずに、このハイテンションなのでしょうか。楽しそう!
みなさま、本当にお疲れ様でした。私も名残惜しいです。
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サロンは賜物でいっぱい。

音楽サロンTSUBAICHIですが、本当にいろんな展開があることをありがたく思います。
昨日終えた「半畳亭」と銘打った初めての落語会は、案内でもご紹介していた通り、うたがたり会
のメンバーの木原三知子さんのケーナの生徒さんでもあることから、桂春若さんとの出会いを
頂きました。私と1つ違いのベテラン落語家です。昨日の出し物は「京の茶漬け」でした。
この写真で見て頂く限り、寄席そのものの雰囲気だと思いますが、私たちも「落語会」の
ための準備にいろいろ工夫をしました。
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たとえば、落語家さんの前にある、見台、膝隠し、拍子木…などの小道具。そして落語家さんの
左側に見える「めくり台」などが必要と言われ、かさ高く、費用も…と思案していた時に、
素人で折りたたみのセットを作られる方を紹介して頂き、特注しました。
「折りたたみ」で、コンパクトにかたづけられるなんてびっくりしました。
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この素晴らしい「中入」など、めくり用のタイトルは、パソコン勘亭流の文字でともちゃんが
作ってくれました。いい感じです。
そうそう、お座布団は、備前の妙圀寺からお借りした婚礼用のもの。めでたし。
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今回、私たちがうれしかったのは、落語会ではありましたが、やはり音楽サロンということで、
木原さんと春若さんのケーナ演奏があったことでした。やはり基本のコンセプトは音楽です。
練習不足?と謙遜されながらも、ケーナ・サンポーニャを師弟共演で聞かせて頂き、余技の
技にも感心致しました。
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もっともうれしく、落語会の間際になって、思いがけず胸打ったことがあります。それは、
明日香村森林組合でお仕事に関わっておられる荒川さんの思いやりでした。
サロンは天井も高く、雰囲気的に「畳敷き」の客席よりは、椅子席の会場の方がよいでしょうと
いうことで、高さ1メートルの高座を準備することになりました。
山寺さんもあれこれ頭を悩まして、いろんな方法を提示、私と検討を重ねました。
サロンを設計して下さった建築士の吉田さんにもご相談してみました。
長机の積み重ね、ビール瓶のケースの組み立て、サロンのテーブル使用、平台のレンタルなど
方法はいろいろありましたが、今後サロンで収納できることや条件もあります。
以前サロンの看板について相談をした時に、「サイズさえわかれば、いつでも作ってあげま
す!」と言って下さったことを思い出し、日程も迫ってきていましたが、「こんな形を
作りたいのですが…」と、相談しました。
そこからです。荒川さんの方にも1つの思いが加わったようでした。
そして、用意して頂いたのが、前日ホームページでご紹介した、すばらしい舞台です。
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公演終了後、山寺さんの方から、私たちの喜びを知ってほしくて、この高座についての
「いわく・説明」をしてもらいました。
お客様が高座の下にもぐったり、さわったりして感心して見学してくださいました。
昨日は高座でしたが、次回からは平台の舞台として使用できます。
万葉にこだわる私たちに明日香村の入谷の杉の木、岡寺のひのきで作って下さったこの舞台は
古代からの明日香村の魂が宿っているもの。このサロンに、明日香村の息吹を注ぎ込んで
もらいました。万葉うたがたりコンサートもこれからはこの舞台の上で、披露してほしいとも
言ってくださいました。木の香りが漂い、明日香の森が身近に感じられました。
何と言う感激! これ以上の喜びはありません。荒川さん、ありがとうございました。
観客には、山口ひとみさんがお母さんを誘って来てくれました。音響の富岡さんも。
楽しく、賑わいのうちに終えた半畳亭。雨もあがり、客足が途絶えてから…いよいよ舞台の
撤去です。偶然東京から西本君が来てくれて、山寺さんと3人で、またまた悩みながら
解体作業。汗だくになり、パズルを解くかのように考えながらのばらしです。
10時半ごろようやく終了。西本君ありがとうございました。
本当にたくさんの「賜物」にあやかって「落語会」を終えることができたのです。
落語も面白かったけど、やっぱり私は「ついています」ね!!! 感謝。

コンサート あれこれ(続々)

コンサートから、はや1週間!
私は、未だに毎日毎日「12月4日はもう終わったのだ!」と不思議な時間感覚で現実を
過ごしております。
今日のブログはコンサートの打ち上げ風景です。
時間も人も設定がむづかしく、TSUBAICHIで行いました。
これは2回目の乾杯ですが、この時でも照明・音響・舞監が撤去作業中で全員ではありません。
本当に多くの方々にお世話さまになりました。
出演者は舞台上でご紹介することができましたが、それ以上に準備期間を経て、頑張って
くださったスタッフの皆さんには、言葉で言い尽くせない感謝です。
まず舞台監督の沢渡健太郎さん。大きな舞台をハードの面から仕切るトップとして、
娘から紹介してもらいました。普段は芝居が中心の舞台のようですが、ご自身もバンド活動を
芝居にコラボさせながらのアーチストでもあったので、私の演出の希望にもいろいろ相談に
乗ってくださったり、知恵を授けて頂きました。また当日の進行で、予定がずれ時間に追われ
胃が痛いような思いもさせたみたいですが、私には寸分心配させないように、笑顔で対処して
くださいました。最後まで「私の意志」を尊重してくださり、ご理解が本当にありがたかったです。
音響はサロンで専属に信頼している、富岡照雄さん。昨日やっとテープを入手して、当日の
コンサートの流れを確認できました。古くて、使い勝手も悪い公会堂でしたが、最高の音質で
みなさんに音楽を提供できたことをうれしく思います。
もちろん、富岡さんはチーフで、お仲間のPAの業者さんや、富岡さんの生徒たちの動員も含めて
私の「作品集」コンサートのための音楽をより美しい音色に演出してくださったことを心から
感謝しています。これからもTSUBAICHIでよろしくね!
照明は、富岡さんのご紹介で、友人の池田誠一郎さんにお願いしました。プログラムで大事な
お名前の印刷ミスをしてしまい、ごめんなさいでした。笑顔のいい誠ちゃんは、私たちの歌う
「歌詞」の一つ一つを検討して、照明の工夫をしてくださいました。客席で眩しかったという
ご意見もありましたが、限られた予算で、苦労して頂き、ありがとうございました。
そして、私の老後の楽しみ?…いえ、当日を知りたいので、DVD制作に、阪本敏さんに
撮影をお願いしました。会場が広い為、2台のカメラで撮って頂きました。いつもと規模の
違う大きなコンサートでしたので、私たちはあまりこだわりはなかったのですが、制作担当者に
会場内の写真撮影は禁止で!と決まりましたので、唯一の舞台での写真はDVDで確認することに
なります。早くみたいなあ。
初めて舞台制作をお願いしました。山下陽子さんは、てきぱきと、でも謙虚です。
さりげなく、会場をしっかり統括される。かっこいい仕事ぶりでした。
制作とは、会場についての準備一般で、控え室・受付・会場すべての管理と運営でした。
今まで、300人ホールで私一人でやってこれましたが、800人ホールとなると、当然、
一人で準備は無理でした。こんなに多くの人たちが関わってくださったのです。
「乾杯!」「ありがとうございました!」
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最後に、このコンサートの本当の主役は彼女だったと思います。
山寺寿子さん! 
もちろん「オカモの30周年」ですが、それを実現させるための準備、根回し、奏者としての
練習・スタッフ、出演者との交渉・そしてTSUBAICHIの日課…とまだまだ・・・。
私がコンサートの「中身」に専念できるように…ですが、私が気づかいないこと。私が言えないこと。
私への配慮が大いにありました。
その上で、事務的、実務的な細かい手続きや連絡やチラシ、パンフレットや印刷物の準備、
何もかもが山寺さんの手を通って行きました。
そして、衣装の新調のため、自宅で縫物をし、サロンでピアノ練習です。
本当に頭が下がりました。今は残務整理で、再びの忙しさです。
本当にありがとう! 
山寺さんなしには、この日を迎えられなかったと思います。
私は子供がお母さんを呼ぶように、何かにつけて「山寺さ~ん!」です。(汗)
聡明で、かつ機微に敏く、多才で、器用な彼女と共に仕事ができることを幸せに思います。
ありがとうございました!!!!!!!!!!
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平城万葉フォーラム・万葉うたがたりコンサート

5月22日(土)に久しぶりに奈良での万葉フォーラムが開催されました。
翌日から今も終日の雨ですが、当日は快晴のもと、奈良女子大学を会場に
全国から万葉ファンや、万葉故地の関係者や、新聞などで知られた一般参加者など
500名近くが集合して始まりました。
坂本信幸先生の基調講演「平城京と万葉集」があり、引き続き「全国万葉大使」
のシンポジウムとして、万葉の各地からの報告や、問題提起、協力呼びかけなど
映像を交えながらそれぞれ活発な発表のあと、私たちの万葉うたがたりコンサート
を30分させて頂きました。
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サンバDeツバキのテーマソングで幕を開け、平城京の小野老のシンボル歌、
「あをによし 奈良の都は 咲く花の 薫ふがごとく 今盛りなり」の歌を
はじめとして、遣唐使を送る歌「海のシルクロード」と平城京での恋愛模様を
思わせる「WE ARE ALL ALONE」、そして私自身のこだわりは、奈良の京にありて
よけいに「ふるさと飛鳥」が懐かしく思われる心持なので、是非「明日香を追慕する歌
を歌いたい」と強く思いましたので唐突だったかもしれませんが、「明日香風」を
演奏しました。しかし、アンコール(のつもり)曲の「大和しうるはし」を歌う機会が
なく、残念でした。
今回「平城遷都1300年記念」ということで、奈良が舞台でしたが、会場が奈良女子大学
というのもよかったと思います。
昨年で創立100年を迎えたキャンパスに集って頂き、昼食も学食を経験して頂けましたし、
駅からも近くて何よりの場所でした。当日は残念ながら、鹿が校庭の草を食む光景を
ご覧頂けなかったことは残念でした。
私たちのコンサートの関係もあって、音響や会場の設営はTSUBAICHIの富岡さんを
中心に頑張ってくださったので、助かりました。サロンも役に立ってます!!!。
今回の私のへこみは、「無口」いや「六口」のオカモを自負していますのに、
適当な表現・語彙が見つからず、つまってしまったこと。そう言えばこの頃「人名」を
覚えるのが得意だったのに、出会ってもなかなか思い出せないようになってきました。
やばい! これって絶対老化だ。脳トレーニングをしなきゃ!と切実に思った瞬間でも
ありました。いやだなあ…。
追伸
 平成の歌垣に出演したせいで!?、私と山口さんがもっとも入念にメイクを
していたみたい!(オカモの必勝アイテム、つけまつげ情報が有名になっていて
何人かの方にメイクをチェックされました。
万葉うたがたりは「ナチュラルメイク」ですとも…(笑)。
今回は「草笛光子さんに似てますね」なんて言われました。
それこそ、草笛光子も伝説の女優に近くなり?若い人は知らないかも(汗)。
まあ美人に似ているということにしましょう!!!
次のコンサートは、6月12日、西宮です。                

TSUBAICHI1周年コンサート報告!

サロンができてから、万葉うたがたり会のアーチストのミニコンサートを
ご披露してきましたが、1周年を記念して、運営している岡本・山寺私たちが
サロンの宝であるピアノの演奏会をしたいと、今回の出演の運びになりました。
気持ちの上で、「がんばるぞ!」という覚悟はしっかりできていましたが、
いよいよ練習を始めた頃から時期が寒くて指が動きにくかったことや(汗)、
連弾やデュエットのプログラムを準備したものの「二人で一緒に練習する」
時間の捻出がむづかしく、思いのほか当日まで精神的に重圧の日々を過ごしました。
うれしいことにお申し込みのほかに当日直接来てくださった方も多く、
50名近い満席状態で、余計に緊張もあり、また弾き甲斐もあり…。
1部の「ピアノ・エレクトーン」演奏と、2部では、平城京遷都1300年記念の
行事にちなんで、「万葉うたがたりコンサート」を行いました。
最後にシャンパンでご来場の皆様とご一緒に「1周年」を祝い乾杯!!!
みなさまありがとうございました。
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「つばき」にこだわり続けた1年でしたが、ご来場のみなさまにも「つばき」
のグッズのおみやげを…。(HPに引き出物の?資生堂パーラーの「つばきパイ」写真)
あくまでも「遊び心」と「私たちのこだわり」です。(笑)
この1年、サロンを支えてくれた山寺さん。このたびはピアニストとして
素晴らしい実力もみなさんに発揮してくれましたが、本当に多才な、また器用な
優れた人です。アンコールで、桜の季節に寄せて、胸に去来する大切な人々への
思いを込めてメッセージとともに「桜」をソロ演奏してくれました。
共感しながら感無量で聞かれた方も多かったことと思います。
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昨年は、サロンの準備で「さくら」の光景を逃していました。
体調も悪く、入院・手術を目前に心の余裕もありませんでした。
今年は「桜」を、TSUBAICHIバス旅行でも満喫し、満開の佳き日に「1周年」
を迎えられました。本当に感慨深い思いです。
2年目がスタートしました。ますます皆さまから愛される、身近なサロンを
目指して平成の海石榴市、がんばります!