万葉うたがたり新春コンサート

今年2012年のサロンの最初のコンサートは、「万葉うたがたり会」の歌い初めとして、
開幕いたしました。
年末年始は準備ができそうで、また、時間が足りないような気持ちの上で、落ち着かない
時間を過ごしました。
そして、サロンTSUBAICHIの年初も万葉うたがたり会の練習から…と、意気込みの新年と
なりました。
第1部は、有名な『古事記』の序の場面から始め、遊劇体の坂本正巳さんの扮する太安万侶が
元明天皇に献上するところから物語はスタートしました。
そして『古事記』の中で有名な「因幡の白兎」のエピソードを中心に、絵本を岡本流に脚色を
加え、オオクニヌシが、出雲の神になるまでをご紹介しました。
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ちょうどお客様に小学生のお嬢さんが来ておられたので、理解できたかなと反応が気になる
ところです。
しかし、私としましては、『万葉集』をもっとい若い世代に広げていきたいということが、
ずっと懸案の課題ですので、小さなお客様の来場はうれしいことでした。
第2部は、いつものように私の気ままな万葉うたがたりです。
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新年ということもあり、古代には、よいしるし「吉兆」とされる「雪」をテーマに万葉歌を
ご紹介いたしました。
冠雪の姿を思いやる富士山はもちろん、越中の立山の雪の歌や、わずかな雪に大騒ぎの
天武天皇と藤原夫人のコミカルなやりとりの飛鳥の雪、梅の花と見まがうかの雪、
「はだれ」お表現された雪など、私の歌を通していくつかの「雪景色」を楽しんで頂きました。
多くのお客様が来てくださり、本当にありがたいことでしたが、万葉うたがたりの仲間も
心地よい緊張感の中で、楽しく演奏ができたようでした。
バイオリンの村田さんは、いつも以上におだやかな気持ちで演奏ができた…と言ってくれましたし、
山寺さんも準備で忙しい中、練習不足も気になりながらの演奏だったけど、気が付けば
口づさみながら楽しく演奏していた…と述懐してくれました。
みんなそれぞれに思いをもって臨んでくれたことがうれしい私です。
ともちゃんと山口さんは、1部で挿入したなつかしの歌などの歌唱もあり、負担も大きかったの
ですが、二人の息がぴったりと合った、素敵な歌声はみなさんを魅了したはずです。
2012年の万葉うたがたりもスタートを切り、サロンに、各地での演奏に…と今年もしっかり
活動をしていきたいと思います。
私は新曲を作りたい意欲にかられており…!!!
ご来場のみなさまからの「応援パワー」を頂き心から感謝しております。
そうそう、みなさまにわれらが福娘から「お年玉」をお配りしたのですが、これは
TSUBAICHIのサポーターでもある水谷さんからのプレゼントでした。
それは、鎌倉にある銭洗い弁天で洗い浄めて頂かれた「お金」を水谷さんが1つずつ
丁寧に包んで作られた親しい方々への「お守り」です。
手作りで、まだまだご友人ために作っておられるそうで、コンサートには来れないけれど
サロンの来場者の方にぜひ…と人数分を提供してくださいました。
お客様に特別の「福」を持って帰って頂けましたし、そのようなお心遣いをして頂き、
本当にありがたく思いました。水谷さん、ありがとうございました。
それでは本日の記念写真を一枚。太安万侶の坂本さんも一緒です。

つばいちえびすで講座!

とんとんと話が進み、「善は急げ」と、急遽桜井市の三輪山のふもとではありますが、
旧の「三輪」の町にある三輪恵比寿神社の社務所をお借りして、昨日「万葉講座」を開催
させ頂きました。
TSUBAICHIの万葉ゼミナールに来ておられた小西加寿子さんは、一見セレブなミセスで
いらっしゃいますが、お話をうかがっていますと、住居地にある、またその地域を昔から
支える三輪恵比寿神社について、住民の誇りや関心の薄さや、それに伴って里の賑わいが
なくなってきたことを大変心配しておられます。
三輪山をご神体とする大神神社は、観光的人気があり、古代史ブームもあって、参拝客は
ほっておいても増える一方ですが、三輪恵比寿神社は、同じ「三輪山」の周辺地にあっても、
JR三輪駅のそばですが、山の辺の道を行くコースでは、近鉄沿線から歩くことが多いので、
私も立ち寄ることがありませんでした。このたびの機会ができて、初めてJRまほろば線で
「三輪駅」に降り立ちました。
奈良ではありますが、また違ったなつかしい「昔」の空気が流れていました。
駅から近い三輪恵比寿神社はこじんまりとした小社ですが、拝殿から見る本殿の様子は、
古式豊かで、荘厳さが漂っていました。
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「万葉講座」の開催は、地元の方々に『万葉集』に馴染んで頂けるように小西さんや、
三輪恵比寿神社の竹内宮司が、企画してくださいましたが、なんと、この三輪恵比寿神社は
「つばいちえびす」とも呼ばれ、日本最古の市、海石榴市の守護の神様として作られた神社
とか、これは我がサロンTSUBAICHIが、真っ先に参拝するべき場所でした!
また、そもそも三輪恵比寿を世間に知って頂くための協力の一歩として、私の住む西宮えびす
神社にご紹介をするということで、まず私が三輪恵比寿神社を表敬訪問したいと思っておりましたが、
11月25日に宝塚のコープカルチャーで山の辺の道を歩いた時に、現地参加をしてくださった
方が、
『万葉集』を学びたい…と言う感想があったことから、この講座が実現しました。
当日の会場は社務所と聞いていましたが、和室ですので、正座型のなつかしい寺子屋の
ようでした。
師走の急な機会にも関わらず、満員。ありがとうございました。
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万葉のふるさとで『万葉講座』なんて、釈迦に説法状況でしたが、みなさんとっても熱心に
聞いてくださいました。ハートに響く「祝婚歌」などをご紹介したかったのですが、
やはりご当地ソング「三輪山」から…ご紹介。また次の機会が生まれるといいなと思います。
熱弁を振るう私! 
万葉の故地で大好きな『万葉集』を話させて頂き幸せでした。
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そして、私は2月5日6日7日に行われる三輪恵比寿神社大祭のお知らせを西宮えびす神社に
お伝えしたいと思います。

11月19日、ハーモニカコンサート

遅ればせのアップが続きます。
高校2年生の天才ハーモニカプレイヤーのコンサートをTSUBAICHIで開催しました。
ご紹介頂き、9月のツバイチ音楽会の時にご家族で下見に来てくださいました。
そして、その時に1曲聞かせて頂いた時に、久しぶりに鳥肌が立ったというか、思いがけず
ドキドキとするような演奏に出会いました。その感動から、こんな素晴らしい演奏会は
めったにない!とみなさんに積極的にご案内をさせて頂き、おかげさまで満員御礼の
来場者に恵まれました。
出演してくださった岡直弥くんは、四条畷の緑風冠高校の2年生です。
クロマチックハーモニカという、右手でスライドレバーを操作して、4オクターブの半音階を
操って演奏できる優れたハーモニカは、私たちが子供の時に小学校で使用した形と違う、
「魔法の楽器」でした。
彼は現在、頂点目指して精進の真っ最中ですが、12歳で世界ハーモニカ連盟日本支部コンテスト
3位を皮切りに、毎年上位入賞を重ね、今年はとうとう、ジャズポップスとデユエットと、
小アンサンブルと3部門で第1位入賞を果たし、総合グランプリの栄誉に輝かれました。
しかし、おごったところのない謙虚な好青年で、その姿にも敬意を覚えました。
当日は、第1部で、奥野勝利さんというキーボードのパートナーとともに演奏。
抒情歌から、演歌、ラテンまで幅広い演奏で、観衆を魅了してくださいました。
キーボードの奥野さんも、オカリナ演奏で、共演してくださったり、自身の作詞作曲された
メッセージソングのご披露もあったり…と内容の濃いプログラムとなりました。
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もうひとつ、私たちが「ハーモニカコンサート」を企画していたのは、蓄音機で聴く
ハーモニカの名演奏でした。
過去2回、中西久幸さんにSPレコードの演奏を蓄音機で聴かせて頂いていますが、今回は
ハーモニカコンサートで…とお願いしたところ、快くご協力くださいました。
加えて、このコンサートを知られた岡君のハーモニカの先生である、吉村則次先生が
来てくださり、「ハーモニカ」についての種類や知識や歴史、またSPレコード演奏曲の解説
などもしてくださり、思いがけないマニアックなにぎわいとなりました。
SPレコードで録音されたハーモニカ音楽は、復音ハーモニカで、半音が出ない演奏でした。
「名曲」が、半音がでない伴奏がつけられているので、ハーモニーの印象が全然異なり、
「迷曲」となっていました。(笑)時代とともに、楽器の改善や種類も変わり、演奏が
整ってくるのですね。
そして、わずかな時間しかSPレコードの演奏は聞けなくて残念でしたが、その「なつかしい
音色」に親の世代を感じたり、思いがけず子供時代を思い出したり…と地味なひとときと
思いきや、蓄音機で聴くハーモニカ演奏は大きなインパクトがあったようでした。
そして、最後に「生の演奏」を…と岡君に、コンクールなどで演奏された曲をソロで…。
私たち大人をこんなにしびれさせる情感豊かな演奏は、どうして生まれるのだろうか…と
うらやましいような、不思議なような…。
今後の成長が本当に期待される素晴らしい演奏会でした。
高校生で、進路に悩む年頃のようです。分野の少ないハーモニカを志すのなら、私は世界へ
飛び出し、羽ばたくことがいいのでは…と無責任ですが、思います。
世界でもまれながら、ビッグになっていってほしいと願います。それだけの才能がある!
日本のアーチストではなく、世界のアーチストになれる人だもん。
きょうは、記念すべきTSUBAICHIコンサートとなり、本当に「音楽サロン」として、
質の高い、稀少な音楽をみなさまにご提供できたことを心からうれしく思います。
ただし、岡君が下見に来られた時も、きょうのこの日も大雨! 雨男は誰だ!!!(笑)
岡君、今日は本当にありがとうございました。
またの機会をぜひぜひ楽しみにしていますね!!!!!

日豪短歌朗読コンサートを終えて…。

11月13日(日)には、TSUBAICHIプロデユースによるイベントがありました。
そもそもは、奈良女子大学大学院で出会った田中教子さんのお手伝いを…ということでしたが、
構想の企画が行事としてスケールも大きく田中さんお一人で運営するのが大変…という
サポーター役から出発しました。
田中さんは、高校生の息子さんのおられるお母さんですが、病気で休学を余儀なくされ
ながらもご自身の「歌作」のためにも必要と、大学院で『万葉集』研究を続けておられます。
私も奈良女子大学の大学院で、田中さんが復学される頃に出会いました。
さすがの私でもなかなか若い人にもうまく馴染めず、もたもたしていた時に、初めて学食へ
ランチに誘ってくださったのが、田中さんでした。それから大学院では何かとお頼りして
おりましたら、2008年に中条ふみ子賞を受賞され、将来を期待されておられる歌人である
ことを知り、現代短歌にはなかなか踏み込めない私でしたが、少しずつ興味も出てきましたし、
それがきっかけとなり、以後私も奈良女子大の短歌会にも出席させて頂いております(汗)。
田中教子さんの「歌集」について、ユニークであるのは、オーストラリアの翻訳家によって
英訳され、第1集の「空の扉」も第2集の「乳房雲」も、短歌本文と英訳とが記された「新しい」
短歌集が出版されていることです。
そのようなご縁から、田中さんが日常活動をされている「アララギ派大阪学生歌会」の
仲間たちと一緒に、合同歌集「月林船団」で発表された歌を中心にみんなで短歌朗読を行い、
またそれぞれの歌を英訳してお伝えする…日豪短歌朗読会を行われることになりました。
加えて、「左手のピアニスト」として活躍しておられる智内威雄さんに協力をして頂き、
ピアノ演奏をコラボする「コンサート」を行うことになったのです。
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私も気安くお引き受けしたものの、内容が複雑になってくるに従い、プログラムの流れや、
舞台の展開や、出演者が「個々」であることから、時間もなく最後まで本当に心配が
付きまといました。
そして最終的につらつら椿株式会社として、この行事を演出させて頂きましたので、
「社長」の私は、存在感を保ちつつ(笑)、1日がんばって取り仕切りました。
「短歌を作ること」と、声に出して「朗読すること」を体験してみて、練習のときからも
そうでしたが、声に出すと短歌に「表情」や「背景」や「ドラマ」が浮かび上がってきて、
とても面白いのです。短歌が「ポエム」になるというか・・・。
聞いていた私も感じましたが、朗読経験された歌人の方々が、朗読してみて自分の「歌の
完成度」に不満を持たれたり、他の人の朗読を聞いて、文字の歌と違った表情を持つことに
感心されたり、いろんな発見がありました。
また、コラボしてくださった智内さんのピアノは、個々の歌人の「歌世界」を作りだして
くださり…。本当にユニークで面白い、また「歌」の深さを思い知らせる機会でした。
『万葉集』を声に出して朗唱する私たち。まさに言葉が躍りだすような経験をあらためて
させて頂きました。
月林船団の歌人の方々の更なるご活躍を心から願っています。
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当日、オーストラリアから、田中さんの歌を英訳された翻訳家アメリアさんの急な欠席で、
もうお一人のオーストラリア在住の翻訳家でもあり、歌人である小城小枝子さんだけの
来日でしたが、オーストラリアでの短歌普及や、直訳でない英文短歌の試行錯誤や「工夫」
など、興味深いお話を聞かせて頂きました。急遽舞台ではパートナーとして田中さんが協力
してくださいました。
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力不足の私たちに、オリジナリテイあふれた企画を無謀にも演出させて頂き、光栄に
存じております。
これからは、田中教子さんの歌人としての大成も楽しみだし、若き歌人たちの活躍も楽しみです。
サブタイトルの「調べへの回帰」の通り、しみじみ古代から現代に至るまで「歌」と
「音楽性」の表裏一体にあらためて再確認し、感心しました。
田中さんの大学院での教官だった坂本信幸先生も気になっておられたのでしょう。
万葉引率旅行のあと、その足で打ち上げ会場に駆けつけてくださいました。坂本先生も本当に
律儀でお優しい!
それでは、みなさま、お疲れさまでした! 次回は我がサロンで「朗読会」はいかがでしょうか。

サロン DE うたがたり

8月のサロンイベントには、3月の余滴コンサート以来、私の万葉うたがたりコンサートを
企画・準備しておりました。
昨年の30周年記念コンサートを終えてから、私の新たなスタート!と銘打っておりました
ので、気迫も満ちていたと思いますし、新たな試みに対する意欲もあり、原点である「二上
エレジー」をもとにした舞台をやりたいと思い、今回の「大伯皇女の孤愁」という、朗読・
万葉うたがたりをご披露いたしました。
大海人天皇と大田皇女の娘、「大伯皇女」が大津皇子に対して詠った悲歌の背景は、古代史に
記された実話として心哀しい物語が、知られております。
今回は、ずいぶん悩んだ末、母「太田皇女の語り」の形で物語を進めて参りました。
語りには、大熊ねこ(遊劇体)に協力してもらい、再びの親子共演が実現しました。
12月のコンサートには、来て頂けなかった松森正博先生が来て下さり、大感激でした。
甲南女子校では、親子二人ともがお世話になった大好きな地理の先生でした。親子の教え子の
共演の場面を見て頂けたことが本当にうれしかったですし、先生もずっと気にかけて
くださっていたことをありがたく思います。
先生、ご来場誠にありがとうございました。また是非来てくださいね。
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出演者たちもみな、それぞれの演奏活動に忙しい時期で、練習時間が取れなかったことと
私に家庭のアクシデントがあったり・・・で、シナリオを書くことになかなか集中できず、
曲目の選択や決定が遅れ、迷惑をかけてしまいました。でも数少ない練習の機会の集中力
たるものは、さすがプロ!!!といった感があり…。
中身ができあがってくるにつれ、「ぜひ多くの方々に見て頂きたい」気持ちが強くなり、
コンサートのご案内にも積極的に努めました。それゆえ、サロンはじまって以来の
満員御礼となり、本当にうれしいことでございました。
見て下さる方々があっての私の「向上」もあり、昨日の「試み」の緊張感は、私の次回への
意欲にも繋がりそうです。
うたがたり会の仲間たちも私の思いに以心伝心で、しっかり舞台を務めてくれました。
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舞台のたびに、きれいになっていく美佐ちゃん。お年頃と言うのは、こういうことを
言うのですね。(私もそんな時期があったのかしらん???)
現在、大台ケ原、富士山と登山づいている美佐ちゃんは「二上山」に上ってみたくなった
ようです。久し振りに私も登ってみたいな。
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コンサートが終わってから、やっぱりオカモの歌が好きと言ってくれたともちゃん。
ともちゃんの「歌心」が、私の歌をひきたててくれているのやん。ありがとうね。
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この日まで、1週間本番の仕事が続いて、かなり疲れていたはずの山口さん。
ぎりぎりの新曲「逢い合い橋」も情感豊かに歌ってくれました。交野市の逢合橋のテーマ
ソングです! ルンルン。
 
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30周年を経て、とうとうメンバー昇格となった村田道代さん!!!演奏力と即興性にいつも
助けられています。演奏方としてもいつも安心ですが、ちょっと体調が心配。
 
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ピアノ演奏の負担も多い中、サロンの運営担当者として、当日の「司令塔」役は大変
だったと思います。でもうたがたり会のみんなが、山寺さんの「存在」にしっかり甘え、
頼れることは、本当にありがたいことです。日々のサロンを共同経営していく上での能力の
高さ、豊かさにもますます敬意を払っております。ありがたや。本当にお疲れ様でした。
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そして私。娘と二人で、打ち上げができました。しかし話は、次期総裁選のことだったりして…。
同じ舞台に立てる幸せと、娘が人生で、ライフワークをもちつつあることを、神様に感謝
です。与えて頂いた本人の「能力」を、本人の努力で「やる気・本気」を称えてやりたい
親心もあります。本人の結婚願望はどうしようもありませんが…(笑)
当日は、もちろん疲れましたが、一夜明けて「気負い・緊張」の肩の荷が下りた解放感で、
とてもさわやかな気分です。アンケートを拝見し、心温まるお言葉や励ましを頂きました。
もちろんきびしい意見が大事ですが、私はおだてられて木に登るタイプですので、次の
1月の機会に向けて、頑張ろうという気持になります。
今回は犬養ゼミの同期生、明ちゃんが初めてサロンに来てくれました。
なんと筑波神社に行って、犬養歌碑と提供者のオカモの名前を見てきてくれたそうです。
甲南女子高校の23回生の同級生、圭子さんとやぶも…みんなありがとうね。
パワーポイントの制作・操作で缶づめだった乾さん本当にありがとうございました。
観客の方々や、みんなのおかげでコンサートの成功があることを肝に銘じつつ…。
翌日のきょうは、早速11月のコンサートの奈良大安寺へ下見に行ってきました。
竹林の風が涼やかで、「秋」を実感してきました。

交流展・コンサートと記念講演

交流展の展示物が搬出されて、急に淋しくなったサロン。
しかし、昨日は、いつものように、ヨガ教室でにぎわいました。
交流展のイベントとして30日(土)に高岡市万葉歴史館館長による記念講演を企画して
下さいましたが、サロンのTSUBAICHIが万葉うたがたり会の拠点でもありますので、
もちろん私たちもコンサートで花を添えたいと思い、前座を務めさせて頂きました。
しかし、展覧会の最中で、楽器準備は無理だろうということで、歌姫のみの出演と
なりました。(カラオケオーケストラで歌いました。)
私の誇るベスト歌姫たちです。
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もちろん「高岡旅情」で幕開け。あとはサロンの越中ワールドにあり、能登の民謡の
「しただみわらべうた」。そして、越中三賦(組曲)です。
カラオケはCDのものを使いましたので、弦楽四重奏の格調のあるサウンドでご披露できました。
私も歌を聴きながら、視野にある展示の絵画、版画、万葉歌の景色に心を馳せることが
できました。ぜいたくな時間でした。何とこの様子は、高岡市の万葉歴史館へライブ放送を
されていたそうです。インターネットの世界はますます進化しているようです。
変則的コンサートでしたので、私は出演できなかったので、普段着でいるのも不自然かもと
思い、万葉衣装もへんだし、悩んだ末、30日は、季節がらの「ゆかた姿」で登場させて
頂きました。小粋なマダム風情で・・・。(笑)
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記念講演をしてくださった坂本信幸先生は、オープンの26日にテープカットして下さり、
お忙しいにも関わらず再度ご足労頂きました。さすがに人気の講演に申し込みも多く、
坂本人気を実感します。
「越中万葉の魅力」というタイトルでしたが、日めくり万葉集のDVD映像なども含めて、
大伴家持の歌について話してくださいました。
具体的に「春苑桃李」の2首のうち、「春の苑 紅にほふ 桃の花…」の歌について
坂本先生の指示により、檀ふみさんの朗詠にも反映していましたが、この歌が2句切れか
3句切れかということについてです。もちろん過去の研究史も比較しながら、春の苑が紅に
輝いている説、3句切れならば春の苑の紅に咲いている桃の花…とみる説を挙げられ、
先生は、2句切れとして解説してくださいました。
そして、漢語「紅桃」について、漢籍の引用なども紹介して下さったが、結局「紅にほふ」は
連体格と見るべきで、2句切れと理解したいとのご意見でした。ふむふむ、そっかあ。
そして、大学院でも万葉歌が漢籍の影響が大きいことから、文例や引用の分析などの作業が
苦痛と言うか、本当に大変でしたが、それで裏付けされることが結論ではなくて、私が
うれしかったのは、坂本先生が、漢籍の影響が非常に大きいことは事実であるが、それだけ
ではなく、日本人独自に作りだした文字表現というものもあったであろうと話されたことでした。
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「万葉仮名」に工夫された表現や、漢籍の影響下にあって、古代の日本人がそこから生み
出した文字表現があることの方が、享受した自然な文化である気がしました。
『万葉集』の魅力って、きっとそう言うところにあるのだと思います。
ご講演は、レジメすべての消化はできませんでしたが、みなさんこの歌は2句切れ!という
ことをしっかり頭に入れて帰られたことでしょう。
坂本先生、ありがとうございました。
オープンのお手伝いの時の高野副館長に代わって、関研究員が加わり、おかたづけ部隊が
揃われました。
坂本先生を中心に、会話や行動やその他、新谷、垣見、関さんの3人の研究員さんの絶妙の
トライアングルの関係には感心して拝見していました。(笑)
でも高岡市万葉歴史館でも変わらずに、このハイテンションなのでしょうか。楽しそう!
みなさま、本当にお疲れ様でした。私も名残惜しいです。
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サロンは賜物でいっぱい。

音楽サロンTSUBAICHIですが、本当にいろんな展開があることをありがたく思います。
昨日終えた「半畳亭」と銘打った初めての落語会は、案内でもご紹介していた通り、うたがたり会
のメンバーの木原三知子さんのケーナの生徒さんでもあることから、桂春若さんとの出会いを
頂きました。私と1つ違いのベテラン落語家です。昨日の出し物は「京の茶漬け」でした。
この写真で見て頂く限り、寄席そのものの雰囲気だと思いますが、私たちも「落語会」の
ための準備にいろいろ工夫をしました。
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たとえば、落語家さんの前にある、見台、膝隠し、拍子木…などの小道具。そして落語家さんの
左側に見える「めくり台」などが必要と言われ、かさ高く、費用も…と思案していた時に、
素人で折りたたみのセットを作られる方を紹介して頂き、特注しました。
「折りたたみ」で、コンパクトにかたづけられるなんてびっくりしました。
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この素晴らしい「中入」など、めくり用のタイトルは、パソコン勘亭流の文字でともちゃんが
作ってくれました。いい感じです。
そうそう、お座布団は、備前の妙圀寺からお借りした婚礼用のもの。めでたし。
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今回、私たちがうれしかったのは、落語会ではありましたが、やはり音楽サロンということで、
木原さんと春若さんのケーナ演奏があったことでした。やはり基本のコンセプトは音楽です。
練習不足?と謙遜されながらも、ケーナ・サンポーニャを師弟共演で聞かせて頂き、余技の
技にも感心致しました。
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もっともうれしく、落語会の間際になって、思いがけず胸打ったことがあります。それは、
明日香村森林組合でお仕事に関わっておられる荒川さんの思いやりでした。
サロンは天井も高く、雰囲気的に「畳敷き」の客席よりは、椅子席の会場の方がよいでしょうと
いうことで、高さ1メートルの高座を準備することになりました。
山寺さんもあれこれ頭を悩まして、いろんな方法を提示、私と検討を重ねました。
サロンを設計して下さった建築士の吉田さんにもご相談してみました。
長机の積み重ね、ビール瓶のケースの組み立て、サロンのテーブル使用、平台のレンタルなど
方法はいろいろありましたが、今後サロンで収納できることや条件もあります。
以前サロンの看板について相談をした時に、「サイズさえわかれば、いつでも作ってあげま
す!」と言って下さったことを思い出し、日程も迫ってきていましたが、「こんな形を
作りたいのですが…」と、相談しました。
そこからです。荒川さんの方にも1つの思いが加わったようでした。
そして、用意して頂いたのが、前日ホームページでご紹介した、すばらしい舞台です。
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公演終了後、山寺さんの方から、私たちの喜びを知ってほしくて、この高座についての
「いわく・説明」をしてもらいました。
お客様が高座の下にもぐったり、さわったりして感心して見学してくださいました。
昨日は高座でしたが、次回からは平台の舞台として使用できます。
万葉にこだわる私たちに明日香村の入谷の杉の木、岡寺のひのきで作って下さったこの舞台は
古代からの明日香村の魂が宿っているもの。このサロンに、明日香村の息吹を注ぎ込んで
もらいました。万葉うたがたりコンサートもこれからはこの舞台の上で、披露してほしいとも
言ってくださいました。木の香りが漂い、明日香の森が身近に感じられました。
何と言う感激! これ以上の喜びはありません。荒川さん、ありがとうございました。
観客には、山口ひとみさんがお母さんを誘って来てくれました。音響の富岡さんも。
楽しく、賑わいのうちに終えた半畳亭。雨もあがり、客足が途絶えてから…いよいよ舞台の
撤去です。偶然東京から西本君が来てくれて、山寺さんと3人で、またまた悩みながら
解体作業。汗だくになり、パズルを解くかのように考えながらのばらしです。
10時半ごろようやく終了。西本君ありがとうございました。
本当にたくさんの「賜物」にあやかって「落語会」を終えることができたのです。
落語も面白かったけど、やっぱり私は「ついています」ね!!! 感謝。

サロンの日々。

21日から(準備は前日も…)始まった澤田さんの作品展で、サロンTSUBAICHIは画廊として
活躍しています。
初めて来られた方は、ギャラリーと思われているかもしれません。
今回は私のグランドピアノもカバーをかけて静かに控えていますが、やはり、音楽サロンが
メインです。
開場が10時ですので、いつもよりは早く出勤し、掃除をして、空間を整えてお客様を
お迎えします。「接客業」ということを特に意識する毎日です。
このたび個展をされた澤田さんは、犬養先生を通じてご縁を得た、万葉のお仲間で、もう長い
お付き合いです。犬養万葉顕彰会では、数少ない女性の役員も引き受けて頂きました。
こうして趣味で日本画を描かれることを、今回の作品展を通して知られた方も多いと思いますが、
サロンの賑わいを拝見していますと、絵をご覧頂くことが目的ではありますが、この機会を
きっかけに沢田さんと旧交が温まったり、ゆっくりお話をされる時間であることの意義を
強く感じます。また、TSUBAICHIに来られるきっかけともなったようで、私にとっては、
みなさんの賑わいが本当にうれしく、ありがたいことだと思いました。
沢田さんも体調が万全でないので、連日、本当にお疲れだと思いますが、このサロンで
過ごされる時間はきっと疲れや、体の不具合も軽くなっておられるのではないかと思います。
何かと忙しい毎日ではありますが、「忙しさ」とはなんぞや…です。
私は大学生の時に好きな言葉として「多忙」と言っていた時期がありました。
毎日が忙しく、充実する時間を送ることが幸せだと感じていたと思います。
今も変わらない自分に苦笑しながら、しかし、自分で選択し、望んだ「忙しさ」の日々に
周りの方々から、健康を気遣って頂いたり、オーバーワークを注意されたり、心配をかけて
いますが、やはり私の性分として「多忙」は合っているのでしょう。(笑)
それも人と接すること、出会いの場は、より幸せな場面です。
沢田さんの作品展の最終日、盛会でありますように…。
毎日サポートしてくださっている妹の迫田廣子さんと…。

TSUBAICHIバス旅行

昨日は、「越前の春を訪ねて~味真野・一乗谷バスツアー」に出かけました。
天気予報は、曇りのち雨。奇跡を願いながら、出発しました。
集合はみなさんいつも早めに集まってくださるのですが、待ち合わせ場所を間違えた方が
あり、30分遅れで出発。そんな時に限って、平日であるにも関わらず、工事渋滞の高速道路で
スタートから大幅に予定時間が狂ってしまいました。がび~ん!
まずは、「一筆啓上」の簡潔な手紙をお手本として、「日本一短い手紙」の公募で有名に
なった丸岡町へ。(現在は、坂井市)桜の名所100選でもある丸岡城は、平山城で、天守閣が
残されていますが、国内現存天守閣12基のうちで、最古のものだそうでした。
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日本の桜の名所100選で有名な丸岡城のしだれ桜がちょうど満開でした。
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そして、400年以上埋もれていた一乗谷の朝倉氏の遺跡へ。戦国大名・朝倉孝景から5代
103年にわたり越前を支配した朝倉氏。5代目当主の義景は浅井氏と同盟を組み織田・徳川
軍と激突して、刀根坂の戦いで大敗後、義景は自害。朝倉家繁栄もこれで幕を閉じましたが、
国の特別史跡として指定された広大な敷地と復元された町並から当時の繁栄を偲ぶことが
できます。それ以上に「一乗谷」と呼ばれる山間の地は、先日の青山政吉さんの水彩画を
思わせるような風景で、美しさと静けさはさながら静止画のようでした。
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素晴らしい自然に心惹かれ、いつまでもここにいたいような気分になりました。
薄墨桜と椿のコントラストも素敵でしょ!
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そして、旅行のメイン故地でもある味真野へ。観光協会の会長・前会長・万葉菊花園の館長
がそろってお出迎えして下さり、何と雨模様の中、万葉衣装のご婦人がたも…。
大歓迎して下さり、ありがとうございました。限られた時間でしたが、犬養先生の揮毫歌碑
のある味真野苑の比翼の丘へ。もちろん全員で朗唱をしました。
越前の春を訪ねて…と今頃は、この庭園の木々の花々が各種満開のはずが、まだまだ
咲き揃わず、日野山のふもとの桜はまだ咲いていないとか。この天候異変はなんだ!
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でもめずらしい「思いのまま」と言うこの木。地元の方は桜と言われたのですが、目が利く
万葉植物にも詳しい方々は「桃」と判定! さてどっちなのでしょう?
でも1つの木で紅白が咲くなんてとっても不思議。自然って神秘的です。
やっと全員で記念写真がとれました。継体大王と照日の前の銅像の前でです。味真野の
もう一つの象徴でもありました。
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中臣宅守と狭野弟上娘子の万葉歌63基すべてを歌碑にして、散策のロマンチックロード
として作られた味真野苑からの道を毫摂寺あたりまで歩き、私の名前の刻んで頂いている碑
もみなさんに恐縮ながら確認して頂きました。時間はすっかり予定からほど遠く過ぎて
しまいましたが、最後に紫式部公園に寄り、帰途へ。
和気藹々と楽しく過ごした一日もあっと言う間に過ぎました。
心配された雨も、私たちが歩くときにはほとんど気にならない程度の小雨で、やっぱり
ついていました。
大幅に帰宅予定が遅れてしまい、本当に申し訳ありませんでした。次回からは欲張らない
ように気をつけます。(汗)
でも全員元気に笑顔でお別れできましたので、主催者としてはホッとしています。
しかし、「春」遠からじ…の今年、本当にどうなっているのでしょうか。
でも今年最後の「桜」を、大好きな桜を満喫できたことを幸せに思いました.
        

TSUBAICHI2周年:神戸散策

4月9日のクルージングの前のオプションコースです。
クルージング参加希望者の半数以上の方が、「神戸の町散策」に参加して下さいました。
JR三宮(阪急・阪神も)に集合して、一路南下し、東遊園地へ。
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いつもは静かな公園ですが、毎年1月17日の早朝5時46分に、ここで阪神淡路大震災の追悼
供養イベントが行われています。美智子皇后陛下の歌碑の前で…。
 「笑み交わし やがて涙の わきいづる 復興なりし 街をいきつつ」
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神戸は居留地の建築物が多く残っています。今はブテイックが入っていたり、レストランや
建物をそのまま利用、中を改築してお洒落な神戸の街の象徴的なショッピング地区として、
生まれ変わっています。街筋の説明を受けながら…。
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元町のセンター街入口付近。奥の山は再度山の一角の市章山で、山に神戸市のシンボルマーク
が見えています。このあたりは、私の学生時代によく行き来した界隈です。
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三宮神社を経て、いよいよ南京町へ。神戸の中華街です。
通りすがりにちょっとブレイクする人もあり。昼食をとった人もあり。
豚まんを買うのに意地で行列にならんだ人もいました!(笑)
              
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メリケンパーク到着。シンボリックに神戸港震災メモリアルパークができていました。
メリケンパークと中突堤間が埋め立てられて、いつのまにこんなに広々と立派になったの
だろうとびっくりしました。オブジェや、移民船や、ゆっくり楽しめる空間がありました。
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第2集合地の中突堤に到着。なつかしのポートタワーは健在でした。
阪神淡路大震災から16年を経て、復興の足跡を確認することができました。単一被災県で
これだけの時間と労力とお金をかけて…と思いますが、まだまだ更地も残っていますし、
芦屋の傾いたマンションに住み続ける人もあり…。完全に終結はしていません。
宮城県や福島県が落ち着くまで、ひょっとして倍以上の時間を要するかもしれません。
私たちは、気持ちを切り替えてファンタジー号へ。
有意義な、記念すべき1日の行事、2つのご報告でした。