浄土真宗本願寺派 真光寺で万葉うたがたり・・・!

お寺でコンサートの経験は、かつて高田好胤師にご臨席して頂いた薬師寺玄奘三蔵院での
コンサート、また、福井県武生市の国宝豪摂寺の本堂での「味真野物語」万葉コンサート、
そして岡山県備前市の日蓮宗妙圀寺本堂のコンサート(2回経験)…と確か、5回目だった
と思う今回は、兵庫県姫路市実法寺にある真光寺を会場として万葉うたがたりコンサート
をさせて頂いた。
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私たちのコンサートでお寺が会場であることもめずらしいが、このたびとても感慨深く、
うれしかったことは、姫路市実法寺は、私の母方の祖父、岡本丸夫の出身地であり、真光寺
は、その岡本家の菩提寺でもあるお寺で、このたび祖父の実家の長である叔父の推薦もあり、
お寺に物心とも貢献したらしい祖父の、「孫」がこちらでコンサートをすることは、祖父への
追悼供養でもあり、「縁」あること・・・と、お寺で定期的に行われる研修会の機会に
万葉うたがたりコンサートを企画してくださった。母方の祖父母で、初孫だった私は、
何かにつけて祖父母とかかわりも深く、なぜか二人の最期までそれぞれにしっかり付き合った
ので、孫たちの中でも私は特別に思い出も多い。
そして5年前に祖父は逝去したが、一昨年祖父の「オカモトケイテイ有限会社」を私が
引継ぎ、「つらつら椿株式会社」として新たに事業を発足させた。サロンをたちあげる
ことができたのも、祖父の遺産のおかげ…と常々感謝していたが、思いがけなくその祖父に
追悼奉納ができる機会を得られたことは、本当に神様(仏様)のお導きだと思った。
昨日は早朝から雲ひとつない快晴で、「奉納記念日」を祝福してくれているような素晴らしい
お天気の中、楽しみなような、緊張感にも包まれながら出かけた。
真光寺のご住職の寺谷さんは、大変明るくて細やかにお気遣いをしてくださる方で、終始
恐縮し通しだったが、おかげさまで、リハーサルから本番まで順調に運ぶことができた。
うたがたりのプログラムは、祖父を意識して親子の絆を歌った万葉歌や、自宅の「垂水」、
出身地の「姫路」にちなんだ歌や、また前日にアンコール曲として完成した曲は、ちょうど
心惹かれる桜の季節でもあり、祖父を偲んで作った新曲「桜花」をご披露した。
 絶等寸の 山の峰の上の 桜花 咲かむ春へは 君し偲はむ (播磨娘子)
真光寺は姫路の市内であるが、書写山を含め、周りを山々に囲まれた「たたなづく青垣
山こもれる」おだやかな静かな地にある。門前に立ち驚いたことには、行基(玉葉集)の歌が
掲げられていたが、その歌は、なんと20代の時に私が書道の展覧会のために色紙に書いた
歌で、垂水の家の和室にずっと飾られていた。祖父が亡くなるその日まで…。
なつかしさとあまりの偶然に本当にびっくりした。
 山どりの ほろほろとなく こゑきけば ちちかとぞおもふ 母かとぞおもふ
 
17日は、ちょうど、後期統一地方選挙の告示日で、姫路市でも市長と県議の選挙戦が
始まった。お寺の前にも候補者のボードが建てられおり、朝到着した時は3枚しか貼られて
いなかったボードに、知らぬ間に帰る時には、50枚以上に増えていて驚いた。
多くの人の動きがあったはずなのに、全く気付かなかったことが不思議だ。(笑)
お寺の研修会と言うこともあり、各檀家の方々のお集まりだったので、皆さんがけさを
かけておられたのが印象的だった。また祖父母の出身地が姫路なので、声をかけた親戚や
叔母たちが来てくれていて、大変うれしかった。何もかもがいつもとはちがう光景であったが、
一人でも『万葉集』に興味や、共感を感じて頂けたなら大変ありがたいことだ。
久しぶりに集まった親族と記念写真。
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最後にご住職が、ご挨拶で「映画館で余韻に席を立ちたくない気持ち…」と言う表現で私たちを
称えてくださり、ほんとうにありがたかった。こちらこそ、貴重な機会を頂き、本当に
ありがとうございました。おじいちゃんに対する感謝の気持ちをこのような記念すべき形で
表すことができたなんて…。天国?極楽?のおじいちゃん、ちゃんと見ていてくれた?
いつも「お金にならないことをしている!」と現実派のおじいちゃんにはイヤミを言われて
いたけど、これで孫の才能を少し認めてくれたかな?
私のコンサートで、おじいちゃんの大事なふるさとの方々と、絆を紡ぐことができたやん。
帰りに岡本家先祖代々の墓に参拝した。静止画のように山桜のきれいな背景があった。
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山は青きふるさと 水は清きふるさと…。思い出に残る一日に感謝!!!

万葉うたがたりコンサート・番外編

昨年12月4日の岡本三千代『万葉集』を歌うコンサートから、はや、3ヶ月。
2011年の万葉うたがたり会の仕事始めは、先月のMBSラジオウオークからスタート
致しましたが、昨日のコンサートが、TSUBAICHIでの第1回目の万葉うたがたりと
なりました。
そして、自分の中で、30周年を総括すべく「30周年の番外編」として、プログラムを
組みました。第1部は、万葉うたがたり会のメンバーにスポットをあてて「われら万葉衆」。
そして、それぞれの選んでくれた万葉曲をご紹介しました。
村田道代「いや重け吉事」、山口ひとみ「祝婚歌」、園田知子「夏野の恋歌」、山寺寿子
「石見シンフォニー」、そして私は扇野聖史さんの名曲「黒人流離」を選びました。
それぞれの仲間たちの思いと、それらの私の万葉歌の背景やエピソードを語りながら、
楽しくなつかしく演奏をしました。ご来場のみなさまには、うたがたりの「歴史」も
少しは感じて頂けたかな・・・と思います。
第2部は、私がご披露、または報告しておきたかった昨年のこと…。
30周年を記念して作った「言霊の幸ふ国へ」、TSUBAICHIで万葉花カレンダーを
作ったことと1枚目のゆづりはの歌「いのちの賛歌」、筑波山神社の歌碑と、味真野の
万葉歌碑の裏面に「岡本三千代」と刻んで頂いた歌碑ができたことでゆかりの「東歌」と
「万葉ジェルソミーナ」。今春奈良女子大学大学院を修了するにあたっての感慨と、論文の
テーマに選んだ「富士山」歌をご紹介。
そして、最後には全員で私の原点となった「二上エレジー」を合唱し、約束通り、みんなで
乾杯!
お支え、お見守り、お励ましを本当にありがとうございました。これからもよろしく…。
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吉本愛子さんには、12月より良かったわ!と言われちゃいました???(汗)
「オカモがオカモらしくあったコンサートだった…」って。
そうかもしれません。時間の制約や、大人数のプロジェクトを台本通りに進めることの
束縛から解放され、また大学院の修士論文からも解放され、昨日は、平常心にもどっての
ひたすら楽しい時間でしたから…。
ご来場の皆様、本当にありがとうございました。
素晴らしい才能と、美貌と、人徳に恵まれたうたがたりファミリーに心から感謝!
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「万葉集を歌うコンサート」~万葉うたがたりとともに30年~

無事終了致しました。娘から贈られた花です。
12月3日の夕刻の仕込みの時から、明日の今頃は…と思いながら4日当日の開場の時間まで、
打ち合わせやチェックなどを行いながら、準備に余念なく進めてきました。
ずっとすべてに立ち会い、確認しながらの作業は、本当に2~3時間のわずかなコンサートの
ためのことです。しかし、音響・照明・撮影・劇団・バンド・うたがたり会とそれぞれの
関わりは多様で、時間も要しますし、私の舞台のためにこれだけ多くの人たちが関わり、
記念コンサートのためにがんばってくださっていることに、あらためて今回のコンサートの
意味を再確認させられました。
昨日の「夢のような舞台」のひとときを終えて、きょうは、すぐに後片付けや事後処理に
シフトチェンジですが、
お天気だったこと。多くの方が来て下さったこと。遊劇体の舞台に感動したこと。
うたがたり会のサウンドが、お洒落でゴージャスで、気持ちよく歌えたこと。
いろいろうれしいことはありましたが、やはりとうとう娘と同じ舞台に立てたことが私に
とってはもっとも感慨深いことでした。両親も娘と孫の生き方を見て、納得や喜びも
大きかったと思います。
達成感と、反対にもっとこうしたらよかったと悔いも少しあり…。
また新たなスタートです。
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平城万葉フォーラム・万葉うたがたりコンサート

5月22日(土)に久しぶりに奈良での万葉フォーラムが開催されました。
翌日から今も終日の雨ですが、当日は快晴のもと、奈良女子大学を会場に
全国から万葉ファンや、万葉故地の関係者や、新聞などで知られた一般参加者など
500名近くが集合して始まりました。
坂本信幸先生の基調講演「平城京と万葉集」があり、引き続き「全国万葉大使」
のシンポジウムとして、万葉の各地からの報告や、問題提起、協力呼びかけなど
映像を交えながらそれぞれ活発な発表のあと、私たちの万葉うたがたりコンサート
を30分させて頂きました。
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サンバDeツバキのテーマソングで幕を開け、平城京の小野老のシンボル歌、
「あをによし 奈良の都は 咲く花の 薫ふがごとく 今盛りなり」の歌を
はじめとして、遣唐使を送る歌「海のシルクロード」と平城京での恋愛模様を
思わせる「WE ARE ALL ALONE」、そして私自身のこだわりは、奈良の京にありて
よけいに「ふるさと飛鳥」が懐かしく思われる心持なので、是非「明日香を追慕する歌
を歌いたい」と強く思いましたので唐突だったかもしれませんが、「明日香風」を
演奏しました。しかし、アンコール(のつもり)曲の「大和しうるはし」を歌う機会が
なく、残念でした。
今回「平城遷都1300年記念」ということで、奈良が舞台でしたが、会場が奈良女子大学
というのもよかったと思います。
昨年で創立100年を迎えたキャンパスに集って頂き、昼食も学食を経験して頂けましたし、
駅からも近くて何よりの場所でした。当日は残念ながら、鹿が校庭の草を食む光景を
ご覧頂けなかったことは残念でした。
私たちのコンサートの関係もあって、音響や会場の設営はTSUBAICHIの富岡さんを
中心に頑張ってくださったので、助かりました。サロンも役に立ってます!!!。
今回の私のへこみは、「無口」いや「六口」のオカモを自負していますのに、
適当な表現・語彙が見つからず、つまってしまったこと。そう言えばこの頃「人名」を
覚えるのが得意だったのに、出会ってもなかなか思い出せないようになってきました。
やばい! これって絶対老化だ。脳トレーニングをしなきゃ!と切実に思った瞬間でも
ありました。いやだなあ…。
追伸
 平成の歌垣に出演したせいで!?、私と山口さんがもっとも入念にメイクを
していたみたい!(オカモの必勝アイテム、つけまつげ情報が有名になっていて
何人かの方にメイクをチェックされました。
万葉うたがたりは「ナチュラルメイク」ですとも…(笑)。
今回は「草笛光子さんに似てますね」なんて言われました。
それこそ、草笛光子も伝説の女優に近くなり?若い人は知らないかも(汗)。
まあ美人に似ているということにしましょう!!!
次のコンサートは、6月12日、西宮です。                

万葉うたがたりの冥利

9月12日(土)福岡県嘉麻市鴨生で第38回目の「憶良まつり短歌会」が
開催され、入賞された短歌の授賞式後、講話をさせて頂いた。
小学生から短歌会で活動される同人までの入賞作は、それぞれに素晴らしく、
修学旅行で訪れた楽しさと、その長崎を通して感じる平和をテーマに、印象を
表した歌も多かった。
また、市長賞の白根タミ子さんは、嘉麻万葉を学ぶ会のお仲間でもあるが、
明るい、その笑い声に場がなごむ優しい方だが、実は地元自民党の婦人部を
率いるしっかりした方だ。昨年人づてに手術をされたことを聞いていたが、
「乳房なき 胸に手を当つ つゆの夜を 確かな鼓動 やさしく触るる」
の作品で、お元気になられたことと、また切なさを思い、胸が一杯になった。
おめでとうございました。お元気でますますのご活躍をなさってくださいね。
私の講話は「歌は心の音楽」と題したのだが、この会では、数年前に初めて
参加した時に、信時潔さんの「子等を思ふ歌」を全員で大合唱されていたことに
度肝を抜かれたことを思い出したが(笑)、嘉穂吟詠会が毎回、万葉歌を
朗唱され、バレエなどの披露などもあり、まさに「万葉を音楽で楽しむ」
ことを以前から実践されていた。
そして今回本当にうれしかったのは、授賞式プログラムの中でも「舞踊」披露
があったのだが、1つは、私の「生駒山を恋ふる歌」に振付されたもので
サンフレッシュダンスというジャンルの舞踊だった。
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伺えば、2月にこの嘉麻市文化協会稲築支部事業として「憶良を語ろう、
万葉を踊ろう」という大変斬新な企画が、なつかしいなつきホールで
催されたそうだ。そして第1部の「憶良を語ろう」では、万葉を詠み、
嘉麻吟詠会が吟詠され、コーラスがあり・・・。
また、第2部では「万葉を踊ろう」と日舞・社交ダンス・サンフレッシュダンス
など、多彩な舞踊が繰り広げられ、9曲のうち、私の万葉曲が7曲に
振付されていた。写真を拝見してびっくり。すごい!!!
まさに「万葉集を楽しむ」に尽きている!
私の「歌は心の音楽」という講話以前に、みなさんは上手に「万葉集」を
楽しむすべに取り入れておられたこと、また私の曲がその役に立っている
ことを本当にうれしく思った。
目前で「生駒山を恋ふる歌」の舞台を見ながら胸が熱くなった。
思いがけない私へのお誕生日の最高のプレゼントとなった。
ありがとうございました。作曲冥利に尽きる瞬間だった。
久しぶりに訪れた嘉麻の里。篠原ご夫妻に終始お世話になった。
また、短歌会のご婦人方は、私を娘のように受け入れてくださり本当に
ありがたいことだ。手作りのお味噌やお漬物を頂戴し、里帰りの実家から
引き揚げるような心地になった。
また来させてくださいね。

尼崎にもあった!白鳳時代の遺跡跡で、万葉うたがたり・・・!

今週は明日香村散策ではじまり、因幡国庁跡に立ち、
昨日、裏磐梯の紅葉を見て帰宅しました。
明日23日は、万葉の「猪名野」でうたがたりです。
「自然と文化の森協会」という環境の保護と育成に携わる市民団体
が中心となって、「尼崎:園田地区」の町作りをされておられます。
その地域の歴史的文化財の1つとして、猪名寺の法園寺には白鳳時代の
七堂伽藍の寺の礎石が残っており、猪名寺廃寺という旧跡があります。
秋の夜長?ではなく、風情の中で、地元でも白鳳時代=万葉ロマンに
浸ってみようと・・・企画されたコンサートです。
私もうたがたりコンサートIN西宮で、地元へ万葉の誘いをしている
ように、お隣の尼崎での依頼と言うこともあり、喜んでお引き受け
しました。予算の都合で演奏メンバーは3人ですが(汗)、万葉集の
魅力を少しでもお伝えできれば・・・と思います。
近松だけではないぞ!
春にはJRの悲惨な事故があり、今年はすべての行事が自粛されて
しまい、かえって元気や生命力を取り戻したい尼崎の方々にとっては、
複雑な思いで過されてきました。
それだけにささやかな地元行事ではありますが、心温まる機会に
したい・・・と準備に余念がありません。
私もちょっと「声」に疲れが出てきているのですが、気力と
迫力でがんばります!
「万葉」は素晴らしい!ですもん。
午後から、地元の方々の出演も含めて「万葉の宴」です。
これを見てから?どうぞお越しくださいませ!

万葉うたがたりIN岩見沢のこと。

上の速報!!でもお知らせしておりますように、うたがたり会が初めて、北海道で演奏させて頂きます。
残念ながら北海道には万葉歌が残っておらず、万葉の故地ではありませんが、釧路には天然記念物の「丹頂鶴」の生息地でもあり、かつて鶴の保護運動に故犬養孝先生が協力されたことがあり、犬養先生揮毫の万葉歌碑はあります。
また、岩見沢万葉を朗唱する会は、結成されて数年のように伺っておりますが、道産子万葉ファンが多く集われ、全国への万葉旅行や、地元でたびたびのフォーラム開催など活発に活動されておられます。
昨秋には事務局のある岩見沢神社に万葉歌碑も建立され、北海道の万葉基地として着実に成果を上げておられます。
このたび、万葉うたがたり会では、岡本と園田が出演させて頂きますが、このチャンスに深川市円山の5万本のかたかご大群落の見学と、美唄市宮島沼の6万羽の帰雁の群れを見るフォーラムのオプションツアーがあり、昨年来かたかごに執着している私にとりましては、願っても無い出演依頼でございました。
皆様方にもご案内申し上げます。