味真野
ブログの話題はありすぎるのに、なかなか紹介できず…。
まずは、昨日の「味真野観光協会設立30周年記念祝賀会」から…。
思いがけず、記念講演を…という依頼を受けた時に、「万葉うたがたり」
ではない講演依頼に驚いたが、「犬養先生がお元気ならば、きっとこれは
犬養先生に講演をして頂きたいと思っておられたのだ!」と思うと、
先生になりかわって心からお祝いと感謝の気持ちを述べさせて頂きたい
とも思うようになり、初めての「講演」に緊張の面持ちで出かけた。
平成9年から3回、味真野万葉まつりで出演させて頂いたり、私自身の
関わりもできでいるので、参加者のなつかしいお顔触れにうれしかった。
比翼の丘に相対して建立された、狭野弟上娘子と中臣宅守の歌碑の
ある庭園「味真野苑」は、昭和47年から54年度まで、8年がかりで県と
市の協力を得て造成され、この時期に早くも地域活性のための大型公共
施設が作られた英断が、以後、犬養先生などによる万葉旅行などで、
各地から訪問される方々から認知される、有数の「万葉故地」となって
今日があることをみなさんにもう一度意識して頂きたいと思った。
でも伺ったことで、その万葉故地の「看板」をもとに、観光協会が
いろいろ努力し、活動を続けておられることもよくわかった。
「万葉の道」(2キロ)に娘子・宅守の歌63首すべてを歌碑にし、散策
ロードとして、事業をすすめておられる最中で、既に23基できていた。
また、福井県の一乗谷の朝倉氏遺跡の歴史・刀剣・甲冑などをはじめ
として、やはり観光誘致しておられる方々との連携・協力をしながら
それぞれの行事でお互いに発信をなさっている様子も、今回の私の講演
演題の「ふるさとの誇り」そのもので、みなさんに大変心強く感じた。
帰りに味真野苑に立ち寄り、画期的な万葉事業の庭園の比翼の丘に
建てられた犬養先生の万葉歌碑の前に佇んだ。
いい文字だ。そして、時を重ねて歌碑に風格と味わいが増している。
まるで時が止まったかのような静かな空気の流れるこの故地は
娘子と宅守の相思の世界がまだしっかりとどまっている。