親心

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母も高齢化し、持ち物を「断捨離」する年齢になっているので、私には迷惑な
くらい何かにつけ、「譲る」方法で、押しつけ、処分をしている。
友人などは、「ありがとう」って素直にもらえばいいのよ…と言ってくれるが、
私にしては別にほしくもないものを…と腹立たしいことの方が多い。
最近思いがけず、母が使い始めた懐中時計を見つけた。
大きさと言い、文字盤と言い、老眼の私には見やすい手頃な大きさの時計だ。
実は私は時計を探していたのだ。というのは、コンサートや万葉講座など、時間を
確認しながら仕事をする立場なので、今までは腕時計を使っていたのだが、
だんだん見えにくくなってきたことと、腕時計はつけかえをするので、忘れることも
あり、常備しておくためにも卓上時計を購入しようか、どうしようか思案していた。
また、バーゲンの時期でもあり買い物のついでに…と思いながら立ち寄れずにいた。
珍しく母のものを、私が感心しながら誉めたと言うこともあったからだろう。
昨日、車で母を送った時に「これプレゼントね!」と、お誕生日でもなく、特別の
日でもないのに、手渡されたものがこの時計。母と同じものだ。
通販でも求めたらしく、「復刻鉄道時計」とある。
その時代ポッポ屋さんが持っていたものだろうか。腰につけて、発車、停車のたびに
これで確認をしていたのか、想像をしているが、ともかく見やすい。
こうしてプレゼントされるとうれしく、ありがたいのに、素直にすぐにありがとうと
言えない私。だって、この年で過保護極まりないもの…。
しかし、私の昨年からの懸案は解消しそうだ。4月のオカモゼミから使用しよう。
この紙面の中でこっそり「お母さんありがとう!」これは形見の品の意識かもしれないな。
今、東京で娘が芝居をしている最中である。
父と娘を通して、家族の葛藤・絆・犠牲・孤独…いろいろ孕んだ問題を提起している。
そのような現実に恵まれない人もたくさんいる中で、還暦も過ぎてなお、いまだに親の
庇護のもとにあることを反発もし、複雑な心境も残るが、やはり心底感謝しないと
いけないと思った私。

娘の東京公演はじまる!

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このたびは、所属劇団ではなく、客演として「燈座」の芝居に出演させて頂いてます。
3月20日~23日の大阪公演が終わり、今日から30日(日)まで東京で引き続き公演です。
私もサロンの行事が重なり、宣伝するどころか、見に行く時間を捻出することで
精一杯だったので、やや心残りです(笑)。
この度の「父を葬る」と言うタイトルの芝居は、出演者も3人だけです。
脚本家の石原燃さんのカラーがよく出た、強いメッセージの作品でした。
父と娘の親子間の絆、日雇い労務者の格差社会での生き方、捨てられた家族の
犠牲、そして東日本大震災以後の労働者の人権…などなど、日頃恵まれて暮らしている
私たちに対して、「見えない部分・現実」をつきつけられたような気がしました。
いつもは娘の芝居に対して…感想などがあるのですが、今回は芝居を超えた「舞台上の
現実」に深い哀しみと同情を感じ、気持ちだけでも共有することの大切さをしみじみ
考えさせられました。上演後、いつもアンケートに感想を書くのですが、はじめて
何を書いてよいか、戸惑いを覚えましたし、こんなことは初めての経験でした。
それから、時間を経て思うことは、娘が演じた芝居に対するインパクトが強くて、
役者がどうのこうの…というレベルではありませんでした。
そっか~、「演劇」と言うものは役者がこのような伝達の「ツール」として生かされる
ことにあって、娘はそれに応じた芝居ができていたのだと思えます。
体力的にも精神的にもしんどい芝居だと聞いていましたが、この芝居はきっと、
娘の女優生活の中の代表作と言えるものになるでしょう。
ネット、新聞、マスコミにも芝居の紹介がいくつか掲載されましたが、その中で
娘の紹介に「遊劇体の看板女優」と言うのがありました。
「遊劇体」は小劇場演劇の小さな劇団ですが、その中でも「看板」と言ってもらえる
くらいの存在になっているとすれば、母としてはうれしいことです。
今日からの東京公演、一人でも多くの方に見て頂ける事を願っています。
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3月27日(木) 19時
28日(金) 19時
29日(土) 13時と18時
30日(日) 15時     前売り3000円、当日3300円です。

TSUBAICHIライブ「山口ひとみコンサート」で新たな扉がひらいた!

2014年のTSUBAICHIライブは、3月から始まりました。
21日の春分の日は、古川忠義さんのギターのソロコンサート。
そして23日(日)には、山口ひとみさんのスプリングコンサート。
このたびは、彼女の方からの企画と申し出で、とてもうれしいことでした。
定員がありますので、早々にチケットが完売してしまい、キャンセル待ちで結局
来て頂けなかった方もあり、私たちは「ごめんなさい」と申し上げるしかありません。
2012年秋のビルボード大阪の山口ひとみリサイタルで、音楽監督をしてくださった
宮川真由美さん(ピアノ)と、ギター奏者の愛川聡さんのお二人の布陣に、テノール歌手
加藤ヒロユキさんのゲスト出演もあり、大いに内容のあるプログラムでした。
山口さんは万葉うたがたり会の歌姫ですが、いつもそれを意識において、ステージでも
披露してくださり、今回も私の「恋歌」をライブの序章として歌ってくれました。
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宮川さんのアレンジと、丁寧な山口さんの歌とで、オカモの歌とは思えない名曲に
聴こえました。私もうっとり聞き惚れました。
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ギターの伴奏だけでの「恋心」。いい感じでした。ギタリストにこだわった訳がわかります。
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サブタイトルが「男と女の愛の物語」でしたので、山口さんの当日のテーマカラーも「赤」。
1部では、新曲に挑戦。お客様のために新たなレパートリーをご披露することの意欲に
感心しながら、中島みゆきの「糸」「化粧」。
「化粧」は歌そのものが、ジャパニーズ・シャンソンでした。
森山良子の「あなたが好きで」はとても美しいメロディが印象的でした。
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ゲスト出演の加藤ヒロユキさんは、山口さんが憧れ、尊敬する先輩歌手ですが、私たちが
加藤さんとご縁を得たことが、今日の山口さんの活動範囲というか、音楽世界が拓けた
きっかけとなりました。山口さんと加藤さんが一緒にステージに立って唄えたらいいのに…と
思っていたことが、とうとう昨日のライブで実現したのです。言霊だ!
二人の歌唱力、パワー、押し出し(華)、レパートリー、歌手としての共通点も多いように思って
いましたが、ライブを経てから、今後の相乗効果の方がより楽しみになりました。
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日本語曲はあまり歌われない加藤さんが、「日本語曲」を意識されたように、山口さんも得意の
ドイツ語ではなく、英語、イタリア語、スペイン語、フランス語…と「原語」で歌う歌については
大いに加藤さんに学ぶところがあるでしょう。
また二人ならば、オペレッタや、ミュージカルなど、ジャンルの幅も広げられそうで、可能性が
いっぱいあります。
また、私たちが喝采するステージを作ってほしいものです。
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満員のお客様に心から感謝。さて、山口さんのいるうたがたり会としては、いよいよ4月13日の
コンサートに如何に期待して来て頂けるか…と内容も練りつつあります。
メンバーが活躍することは、ボスの私としては励みともなり!?うかうかしていられません。
ともかく山口さんお疲れ様でした。また新たな扉開きましたね!

母の誕生日

一緒にミサに与ることはできなかったが、お誕生日記念の今朝、私はオルガン当番
だったので、そのお恵みに感謝した。
昭和7年3月16日生まれの母はきょうで満82歳になった。いつの間に・・・。
水浦神父様のお説教は、ご復活を迎える準備の四旬節期間であるため、聖書の
箇所と今日のテーマ「キリストの変容」について話して下さったが、ルカ福音書に
記された「山に登って祈られた」ことから、私たちに対して「神との積極的な対話」を
促して下さった。祈りは「お願い」にはなっていないか、祈りは神様への感謝と賛美
もより大事であることを話された。ほんとだ…。
今朝もミサの中で、お願いと感謝が入り混じった私だったが、もう私のことはよく
御存じ!!!(笑)。神様よろしくお願いいたします…。
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さて、今からは、プライベートタイム。奇しくも阿倍野ハルカスへ行ってきます。
明日香村の画家、烏頭尾先生の絵画展に…。
午後からは女人舞楽を鑑賞に…。
アカデミックな春の一日、活動開始!!!

ナイス・ミセス!

サロンTSUBAICHIの立地している大阪市北区の大淀の界隈は、便利なところだが、
JR福島が最寄でもあり、「福島エリア」と言った方がわかりやすいかもしれない。
今福島というと「食べ物屋さんの激戦地区」として、テレビ、雑誌などをにぎわす
「安くて美味しい店」の代名詞的場所となっているようだ。
その中で、音楽サロンと言うのは、希少価値があるが、パッと見て様子がわかりづらい
こともあり、サロンも今春で満5年をむかえるが、入るのに少し敷居の高いところが
あったようだ。しかしようやくご近所に住まわれる方々にも認知されてきたようで、
私たちのカルチャーやイベントに参加される方が増えてきたことはうれしいことだ。
その中のお一人で、お子さんも結婚・独立され、今や悠々自適な生活の中で、
遺憾なくその能力を発揮されておられるご婦人がおられる。60の手習いとおっしゃったが、
着物をリメイクして新たに「洋服」として甦らせ楽しんでおられるのだ。
私も着物が好きで、母が嫁入りごしらえに人並みに準備してくれた着物も、なかなか着る
機会も少なく、母には事後承諾で、いくつかリフォームしてかつての着物を洋服として
楽しんでいるが、着る機会が増えたことで、今は母も納得してくれている。
絞りのコートをワンピースに、留袖をチュニックに…とお出かけ着として活用している。
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そんな私に興味深いご趣味のご婦人と出会えたことで、話題が盛り上がっている。
先日はばったりお目にかかった時に素敵なワインカラーのリメイクのコートを着ておられ、
手作りの技とデザインやセンスとの良さを大いに感心した。私がまた作品を見せてください
な…とお願いしていたので、昨日、サロンに来られたついでに私に1つ作品を見せてくださった。
オカモカメラマン、撮影させて頂きました。
色合いも深い緑で渋く、絵柄も「和」のテイストなのだけれど、デザインが斬新。
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ご本人の希望で、お洋服を中心にご紹介。袖口の模様は「散華」を写し取って描かれたもの。
「音声菩薩」も描かれていた。ボタンも生地に絵付けをしたクルミボタンである。凝ってます!
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背中は、「風神・雷神」の二神。手拭いに描かれた絵を生地に描き写されたそうだ。
もはや着物のリメイクではなく、新たな生地素材になっている。すごい!
そして、ちゃんとリバーシブルになっていて、違った表情のコートに変身。
勝手ですが、素敵なご本人のお姿をご紹介させて頂く。中島さん、どうぞ!
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この格子のような柄行もドルマン風スリーブのデザインで、袖口に向かって大きさが集約されて
いく感じがすごくお洒落で素敵です。オカモ大絶賛ゆえ、ブログに掲載させていただいた。
着物を着こなすのも素敵だが、こうして眠っている着物に新たに命を吹き込むことの技と
着る楽しさを教えられる。
ご自身で作られるだけではなく、依頼の製作も多いようで、うらやましく思いながら
拝見させて頂いたが、昨日はお手製の伊予柑ピールの蒸しパンの差し入れもあり…。
謙遜されるけれど、器用に多彩にご自身の時間を贅沢に楽しんでおられるのが素敵。
私はまた次の作品、楽しみにしておりま~す!

ライブハウス体験

万葉うたがたり会の歌姫、山口ひとみさんが、一昨年の歌手生活20周年記念の
コンサートをきっかけに、歌手活動の範囲がぐんと広がり、多忙な毎日だ。
実力派なので、新たな環境でも臆することなくステージを精力的にこなしている。
一昨日は、現在定期的に出演している心斎橋のアートクラブ(ライブハウス)での
出演だった。
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当日、昨秋のお店主催のアートクラブ祭で、ゲスト出演された鈴木綜馬さんが来店
されて歌われる、共演者の一人として山口さんもキャスティングされていたことで
私も久しぶりにアートクラブへ。
鈴木綜馬さんは、知る人ぞ知るのミュージカルスターだそうで、娘も知っていた(汗)。
劇団四季の出身者だけあって、市村正親さんを思い出させるような、独特の語り口、
笑顔のオーラ、お客さま目線のエンターティナーぶりには歌以上に圧倒された。
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おばさんのツッコミとしては、いやいやサロン経営者でもあるお客様の私の感想としては、
ジーンズのような普段着でのステージは(シャツの着替えはあったけれど…)
ライブと言えども、お客様がそれなりの気分で来ていることを思うと、出演者として
やはり、それなりの敬意、演出・工夫は必要だと思う。歌声、声量などに恵まれておられる
分だけ、それで十分勝負と思っておられるのであろう…。うーん!
合間にマスクをされていたが、歌唱のたびに水を補給しておられた。
調子が悪かったのか、今は歌手が舞台途中で水を飲む姿は当たり前のようになって
しまったが、私はいつも違和感を持っている。
私はアート祭の時に初めて聞いた綜馬さんの「クッキー」というオリジナル曲に
惹かれ今回も期待していたので、聞けて満足だったし、6月のCDリリースが楽しみだ。
また「愛の賛歌」で披露された情熱的で切ない訳詞は、まさにピアフの世界だった。
確かに原語を日本語、男女の立場に訳すことの難しさはあるのだろうと思う。
でも、綜馬さんの訳詞、山口さんもメモしたかな。
山口さんは、私が期待するミュージカルナンバーをご披露したので、私はとても満足。
ミュージカルナンバーの音楽的スケールの大きさと明るさ、歌唱世界が彼女にぴったりだ
と思う所以。どんどんミュージカルレパートリーを広げていってほしいな。
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お客様の私ですら、出演者の歌唱、衣装、選曲、エンターテーメントの違いを感じるのだから、
毎回、いろんな出演者と過ごすことは、山口さんも勉強になることだろう。
いろんなステージをこなして、苦労も多いことだろうが、ますますビッグに、私たちを
楽しませてほしいと願っている。
しかし忙しくなりすぎてもたいへん。万葉うたがたりの看板も背負ってもらっている現在、
私も歌姫をより大事にしなきゃと、自らを戒めております(笑)。

光輝高齢者のパンフレットから・・・。

面白かったので、抜粋します。
結構、今の私でもなるほどと思うことあって…。困ったこっちゃ!
・改札を通れずよく見りゃ、診察券
・ボランティア、するもされるも高齢者
・歩こう会、アルコール会と聞き違え
・クラス会、食後は薬の説明会
・目には蚊を、耳には蝉を飼っている
・誕生日、ローソク吹いて立ちくらみ
・延命は不要と書いて、医者通い
・飲み代が、酒から薬に変わる年
・中身より、字の大きさで選ぶ本
・深刻は、情報漏れより尿の漏れ
・日帰りで行ってみたいな、天国へ
・起きたけど、寝るまで特に用はなし
・まだ生きるつもりで並ぶ、宝くじ
・目覚ましのベルはまだかと、起きて待つ
・お若いと言われて帽子を脱ぎそびれ
明るく、楽しく、過ごすことが「幸喜高齢者」ですね!