犬養万葉歌碑を歩く3部作の紹介
犬養先生が逝去されてからも、犬養先生揮毫の万葉歌碑や関連碑が増え続けていたため、それらを網羅した携帯しやすいガイドブックができないものかと長く模索していた。令和2年に明日香村の万葉歌碑四十基のガイドマップ「明日香村の万葉歌碑を歩く」の作成を契機に、令和3年に「大和の犬養万葉歌碑を歩く」を発刊。その翌年には「西日本の犬養万葉歌碑を歩く」を発刊した。そして令和5年秋に、「東日本の犬養万葉歌碑を歩く」が完成した。これで日本全国にある犬養先生揮毫の万葉歌碑141基と関連碑・設備19ヵ所をご紹介することができた。元号「令和」が万葉集から名付けられたことから、万葉集がより注目を浴びることになり、万葉集を町づくりに利用されるところも多くなった。中でも、大伴家持が5年間越中国守として在位していた高岡市は、コロナ禍の中でもリモートで「高岡万葉まつり・万葉集全二十巻朗唱の会」を続けられたことはすばらしい。また、七尾湾に浮かぶ机島には犬養先生揮毫の万葉歌碑があるが、無人島で風化が進み島への上陸が難しくなっていた。地元の若者たちが「万葉の島 机島磨き上げプロジェクト実行委員会」を立ち上げ、漂流物の撤去、島の清掃から桟橋の整備まで行い、故地の保全と島への上陸が可能となった。引き続き犬養先生を慕い、楽しく万葉の旅ができることをうれしく思う。そして、これらの本がその一助になれば幸いである。
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