知らなくてイイコト!
第39回MBSラジオウオークは、コロナ感染不安で、初めてのスタジオ発信となり、アナウンサーの現地リポートで、スタジオからは猪熊先生、上野先生、西山先生のトークが交わされました。イベント中止と聞いていたので、気にも留めずいたところが、ラジオでの放送はあると知り、慌てて告知をしたり、私もパソコンを開いて(ラジコ)聞く準備をしました。コーナーに分けられていた第4部は「今までのラジオウオークを振り返る」というテーマだったので、「犬養孝先生」が話題になるだろうと楽しみにしていました。期待通り初回のオープニングや先生の朗唱、「一日の終わり」など、犬養先生のお人柄を思い起こす場面の切り取りに胸を熱くしながら聞き入りました。
犬養先生の出演は平成9年が最後となられましたが、実はその日に脳梗塞の症状が出ておられました。平成10年も出演のオファーがありましたが、犬養先生が弱っておられたので「ラジオウオークは中止になりました」とうそをついて出演を止めました。でも犬養先生はその時期が近くなると、気配を感じられたのか「ラジオウオークに行かなくてもいいの?」とお尋ねがあり、再び「中止になりました!」と言ったもののドキドキしたものでした。犬養先生のお気持ちも察して、3月になってから、「先生、明日香村へ行きましょう!」と私と二人きりで、愛子さんにお弁当を作って頂き、車いすを押して明日香村へ行ったことが、先生の明日香行の最後となられました。この日のことは私も何度か文章にも書いていますが、この写真がそのときのものです。出会ったのはお訪ねした関村長と川原寺の先代の扇谷夫人。誰がシャッターを押してくださったか記憶にないのですが、この写真は川原寺の犬養万葉歌碑です。背景が橘寺。今は周辺の木も伐採されてこの風情はすっかり変わりました。貴重な原風景(平成10年の)になりました。来年は第40回。15回の打ち上げを終えた時に「今回が最後と聞いてましたが、なんだか来年もあるみたいですね。」と先生と共に笑ったことが思い出されます。犬養先生がご存命の時はすべて私も参加させていただきました。付き添いが主でしたが、何度か「万葉うたがたり」で出演もさせて頂きました。放送を聞きながら、時の流れを感慨深く思い起こしています。