仲秋の名月、2題

今年は、奈良県の桜井市とご縁が深くなり、5月には、桜井市市民会館を守る会
の総会で、講演をさせて頂いたり、先日は「大和さくらい万葉まつり」で古代衣装
パレードの出演があったり…と2年前から三輪恵比須神社で万葉講座をさせて頂いて
いることから広がった輪でしょう、まさに「海石榴市」のえびす様に感謝です。
三輪恵比須神社のご紹介もあり、桜井市外山(とび)にある等彌神社の佐藤宮司より、
仲秋の名月に行われる6回目の「観月コンサート」に万葉うたがたりの機会を頂きました。
実は私は「とみ神社」は知りませんでした。鳥見山が榛原から見える山だと思っていたので、
桜井の鳥見山のふもとの等彌神社をこの度しっかり認識することができ、幸運でした。
人も集まりやすいように、毎年「敬老の日」と決めて行っておられますので、月齢には
多少誤差があります。
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リハーサルを終えて見えた月です。3日後に満月の夜を迎える月です。
この抜けるような青空も、これは前日からの台風18号の日本全国に絶望的な被害や影響を
与えながらの翌日、台風一過のウソのような光景です。
朝から雨も残り、テレビでは近畿一円「大雨洪水警報」は発令され、渡月橋の周辺の
桂川の氾濫を目にしながら、「きょう、本当にやれるのだろうか…。」と半信半疑で
2台の車に分乗して、万葉うたがたり会は現地に向かいました。途中淀川の河川敷も水に
つかっていて、びっくり仰天。しかも淀川大橋からこの状況を写真で写そうと言う人たちの
姿も多く…!?確かにめったにない光景が広がり、私たちはますます戦々恐々の気分でした。
台風の後は、手のひらを返したような穏やかな日となり、神社の中では、コンサート決行の
ためのあわただしい準備がなされました。雨でずぶぬれのところからの舞台づくりで、
神社の方々も氏子さんも、またイベント会社の方々も内心はおだやかではなかったはずです。
みなさんのおかげで、お客様も集まってくださり、時間通りのスタートとなりました。
その後は、「楽しかったコンサートのひととき」です。
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コンサートの後に「サンバDEツバキ」が聞きたかった…と言う声を頂き、ありがたく
思いましたが、今回は初めて聞かれる方への導入もあり、オープニングは「月の歌」
メドレーでスタートしましたので、ごめんなさいでした。
40分の時間を頂き、
夏の夜の夢・ムーンライトセレナーデで「月」を思って頂き、あとは「桜井市」を意識して
三諸の子守歌、「忍坂」の風音を聞いて頂きました。
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そして今回は、等彌神社…と言うことで、万葉歌碑もある「跡見山雪」の歌を是非作曲して
記念にプレゼントしたいと思い、新曲「ホワイトロマンス」という曲をご披露しました。
恋の歌なので、若々しく大変軽やかなポップス調の曲になりました。またみなさんに
手拍子を頂きながら、歌えたらうれしいことです。
最後まで多くのお客様に残って頂き、ご一緒に出演した岸さんや大西さんに、佐藤宮司も
加わって全員で「ふるさと」を合唱しました。
この等彌神社の近くにお住まいの方々をはじめ、鎮守の森で、音楽を通して満月を愛でながら
ふるさとに心を寄せるなんて、なんて贅沢なのだろうと思いました。
月は時間とともに高くのぼり、神社の杜の木々を通してこんな様子に見えました。
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本当に「月のかつら」を髣髴とさせます。神社の池にも映った月を佐藤宮司さんに教えて
頂き、思わず歓声! 2つの月を楽しませて頂きました。
「月がとっても青いから、遠回りしてかえろ♪」…いやいや、自宅に直行して11時半でした。
長い激動の一日。終わってみれば穏やかで心豊かな時間だけが印象となって残っています。
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