誕生日を迎えて・・・。

どうしてもブログに書いておきたいことがあった。沖縄旅行のことだ。
FBには、小出しで、旅の思い出を切り取って、早々に友人・知人たちに披露したが、
やはりこのたびの「旅」は、私たち親娘が、日本の歴史上、理解をしておかなくては
ならない、実際に現地を自分の目で見てみたい「歴史と歩む沖縄」だった。
戦時中を生き抜いた両親は、過去二人で日本各地をほとんど旅しているが、「飛行機」と
いう母の苦手意識がネックとなり残念ながら「沖縄」だけ、旅していない。
「戦争」の頃、やはり女学生だった母が、同じく沖縄戦にかり出された「ひめゆり」
以下、同世代の方々を偲び、追悼したいという気持ちを持ち続けていることは、ずっと
知っていたので、急場に決めた私たちの旅であったが、沖縄を選択したことを大変喜んで
くれた。そして母の分も一緒に祈ってきてほしいと思いも託されていた。
「お花代」まで預かり、親子3人の思いを胸に「沖縄」に向かった。
もちろん久しぶりに親娘でバカンスを…と思ったものの、お互いの共通の時間を作り出す
ことが、並みの苦労ではなく、この2泊3日が限度だった…。
でも行き先を「沖縄」に決めた時に、「美しい海・沖縄料理・美ら水族館・ぜいたくな宿」
など、旅ならではの希望と共に、「沖縄の戦地に佇む」ということについては、娘と自然に
共通の目的であったことは、うれしいことだった。
折しも8月15日の直前には、テレビ・新聞などで「終戦特集」の報道が多く特集されたが、
いつもならば特別な意識をせずに見ていたニュースも、さすがに旅を「沖縄」に決めた後は
とても気持ちが惹かれた。
特にTBSの『テレビ未来遺産“終戦”特別企画 報道ドラマ「生きろ」~戦場に残した伝言~』
と言う、今も「沖縄の神様」と慕う人たちがいる戦中最後の沖縄県知事、島田叡(あきら)の
実話のドキュメンタリードラマを見たことも幸運だった。
沖縄に降り立って、レンタカーでまずひめゆりの塔のある南部地方糸満市へ。
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左後方は、併設されたひめゆり平和祈念歴史館。女学生の証言集などを見ると、あまりの
むごさと、淡々と綴られた日記の重さにあらためて沖縄戦の犠牲を無念に思う。
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母の分も娘とともに、花を捧げ、やっと現地に立てた実感を感じた。
引き続き摩文仁の丘へ。県の平和記念公園として、資料館、塔など、多くの関連施設が、
建てられている。そして出身県で分類された墓碑銘の場所は、テレビなどでよくみていたはず
だったが、正面の抜けるように青い空、青い海、広がる水平線に、本当は静謐な島である
ということを思い知らされた気がした。
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二人で黙って海を見ているだけで、不幸な歴史とうらはらな素朴な島、沖縄を思い、怒りや
悲しさがよけいに募ってくる。戦争はなんだったんだろう。沖縄戦はなんだったのだろう、
と思う。
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そして、沖縄県知事の記念碑へ。島田さんのご遺体?は見つかっていないそうだ。
終焉の地とされている。兵庫県出身者であり、兵庫高校と聞くと身近な感じがした。
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沖縄戦で、沖縄の人たちは米軍ではなく、日本兵のための犠牲となり多くの人が亡くなった。
翌日、首里城や今帰仁城跡などを見学し、沖縄が「琉球王国」としての独立国の遺跡が
多く残っていて、御嶽と言う祈りの聖地や、聞得大君という女王国である独自の信仰や
風習の残っているのを見て、感心した。沖縄県に本土復帰は果たしてよかったのか。
世界遺産にも登録されているが、琉球固有の文化や遺跡に今回魅せられた。
当初、想像していた喧騒も全くなく、嘉手納基地のそばを通った時だけ、米軍基地の
規模や、近さや、Yナンバーの米兵の車なども見たが、2泊3日で回った沖縄は、最高の
空・海・自然美に恵まれた素晴らしい風土だった。時々にふれあう沖縄の人々は、愛想が
よくて、優しく親切だった。そして観光で賑わい、潤う島であることは間違いはない。
そう思うと基地移転などもってのほか、これ以上環境破壊をするべきではない。
基地問題も微妙だが、「撤去」が望ましいが、まず「凍結」。辺野古へなんてとんでもない
ような気がする。沖縄の人たちの島の誇り、観光立国の沖縄を思うなら、現状維持しか
ないのかもしれない。テレビでよく見る大規模集会は本土からの人が多いと聞いた。
私たちが感じた古い琉球王国の名残の多い島、沖縄は、道州制が叫ばれている今こそ、
「独立国家」としての狼煙を上げたいくらいだ。
戦争の爪痕が色濃く残り、払拭したいのに、未だに「戦争」のための米軍基地として
甘んじなければならない沖縄の現実に、同情もある。
でも私たちにとっては、穏やかな島、美しい島として大ファンになった。
また是非訪れたいと思っているし、娘とは2月の残波岬のタイガースの春季キャンプに
来てみたいね!なんて…。
万葉と同じ、現地に立って理解できることの多さに教えられた旅だった。