ありがとうございました! そして…。

富山県高岡市は『万葉集』で越中歌壇と呼ばれる万葉故地の1つです。犬養孝先生が全国の万葉故地を歩かれ、執筆や万葉旅行によって多くの万葉ファンが「万葉の高岡」を知るところとなりました。
また、時の高岡市長の佐藤孝志氏(故人)が、犬養先生の協力を仰ぎ、自治体として平成元年より「万葉のふるさとづくり」に着手され、朝日新聞社の第1回「ふるさと大賞」も受賞されました。その間、万葉まつりも規模が大きくなり、三日三晩と言う『万葉集全20巻朗唱の会』という、とてつもないイベントが始まったり、日本で初めての『万葉集』に特化した研究博物館「高岡市万葉歴史館」が完成し、犬養先生のそばで私も当初から拝見したり、関わってきました。そして令和でにぎわった昨年は万葉朗唱の会の30回目、そして今年は高岡市万葉歴史館ができてから30年という節目の年となりました。昨年来の「令和」という万葉ブームの再来?や、次代への期待が高まる中、早々から思いがけなく「コロナ禍」に巻き込まれ、日本中、いや世界中の歯車が狂ってしまうという大変な年となりました。
万葉うたがたりの私個人も、また犬養万葉記念館と言う公共施設も日常を余儀なくされていますが、そのなかで、8月に高岡市万葉歴史館で「30周年記念展~犬養先生の思い出」として、初代名誉館長犬養先生を顕彰して特別展を開催してくださいました。私は行くことができなかったのですが、講座やSNSでご案内をしたところ、「行ってきました」とご婦人が写真をくださいました。おー、うれしい。

また、30年以上続いた「万葉朗唱の会」はいよいよ31回目と言う3巡目のスタートに、新たなスタイルで朗唱の会を実施されることになりました。「動画でつなぐ万葉朗唱」です。企画を聞いた時から現地に行くことができない残念さはありましたが、ポジティブな私は「チャンス!」と思いました。私たち万葉うたがたり会はもちろん、犬養万葉ネットワークで広がった全国の万葉故地の方々や、万葉愛好家の方々をお誘いし、「現地に行けなくても、出演時間にこだわらず、好きな時間、好きな歌の朗唱ができることの身近さ」や「私たちの自慢の万葉パフォーマンスができる機会です!」とお声をかけました。それぞれ時間的に追われて、また暑い時期に衣装を着ることも大変でしたが、いよいよ配信、放映される本番の10月2日が近づくにつれ「朗唱数珠つなぎ!?」への興味は高まり、とても楽しみです。そして、きっとこのスタイルはこれからも残るのではないかと思います。だって、このあわただしさの中で撮られた動画を経験して「次回は!」と反省や新たな意慾から、やる気になられた方々も多いと思います。時間的に余裕のなかった私たち万葉うたがたり会がそうですもん・・・。1発どりだった私たちこそ、反省しきりです。(笑)