年末のサプライズ!

2012年の12月31日に届いた宅配便。
外出先から戻ってきて気付いた不在票に「だれかな…」と送り主を見てびっくりした。
まさか…とすぐに娘に連絡をし、ドキドキしながら再びクロネコ便が届くのを待つ。
夕刻に再配されたのは、娘が10年間アルバイトをした京都の京料理の店「ほんざわ」の
大将からの冷蔵便。
思いがけない大将の決断で、8月にお店を閉めて、郷里に近い東京へ新天地を求めて
人生の方向変換を図られたことは8月のブログにも書いた通りだ。

例年、おせち料理を京都のみならず、宅配で各地に提供してくださっていたので、
我が家も「ほんざわ」のおせちで新年の祝膳として重宝して楽しんでいた。
本澤さんの人生を考えた上で、閉店は納得できたものの、「おせち」については、
はて次のお正月からどうしたものかとそのことが気にかかっていた。
娘を経由して注文していて下さった方々も、本当に残念がってくださり、岡本家も多くの
ファンも途方に暮れた2013年の「おせち」だった。
我が家もとりあえず準備はしたものの、ホンザワのおせちにはかなわないことを承知で…(苦笑)。
そこへ思いがけず大晦日に届いた大将からの「おせち」便。
すぐに娘に写メールで添付し、電話連絡。受話器の向こうでは超感激で涙声の娘。
口下手で、口数の少ない大将は、閉店の大事も淡々としたもので、娘をはじめ、長年
お客様として付き合われた方でも水臭いと思われるほどのあっけないお別れだった。
そしてその後、本澤さんの望み通りのお仕事が決まられたのかしら?とか、
どうされているのかと気にかかっていたが、娘も連絡が取れないままだったようだ。
その本澤さんが、最高のプレゼントで私たち家族と娘に心配りをしてくださったことに、
驚きとうれしさと、感謝と思いやりに…言葉にならない感情が私にも駆け巡った。
娘もホンザワで正社員でもなく、お運びのアルバイトの一人にすぎない存在だった。
ドジをしては、大将に怒られながら、またいろんな社会勉強の場として鍛えて頂いた。
こちらが感謝こそすれ、今では料理人としての環境ではない大将が、縁の無くなった今、
いつものように、手のかかったおせち料理をプレゼントしてきて下さったことに、
娘が大将と出会えたことの幸せや、しっかり培われていた人間関係の素晴らしさに、
私も娘も一生忘れられない「感涙」の大晦日となった。
一人っ子である娘が、離れていても、よき出会いによって、こうしていろんな人に
可愛がられながら、支えられながら成長してくれることを本当にありがたく思う。
私の大好きな「出会い」の素晴らしさを実感できた出来事でもあった。
良かったね。さあ、私たち家族は本当にいいお正月が迎えられます。
               ほんざわ.jpg
どうです。このゴージャス! 本澤さん、ありがとうございました。