三井楽万葉フォーラムを終えて♪
台風シーズンのさなか計画された行事でしたが、「万葉西の果て」故地を広められた犬養先生の守りがあったのでしょう。天候を心配することもなく、無事盛会裏に終えられたことを心からうれしく思いました。
『万葉の旅』執筆から60年。白良らが浜に万葉歌碑が建立されて30年。そして平成の時代もいよいよ30年で終了という節目の時に1年がかりで準備されたフォーラムは、
三井楽町も五島市の1つとなり、夏には五島列島が潜伏キリシタンの世界遺産のエリアとして新たな魅力が加わりました。遣唐使の日本最後の寄港地として柏崎公園の弘法大師の命を賭した「辞本涯」の碑や、遣唐使の母の万葉歌碑など三井楽独自の歴史的発信。また『万葉集』の本文ではなく左注に出てくる山上憶良の「荒雄」の歌による犬養先生揮毫万葉歌碑建立などで万葉ファンの誘致などに努力された「遺産」をもう一度見直すべく催されたものでした。そして主催の三井楽町の方々は、まず地元民の認識と誇りを促すことも1つの目的としたい旨、日めくり万葉集で万葉の蘊蓄も深い女優の壇ふみさんがゲストで出演されました。
また、私はパネルディスカッションのパネラーとしてはじめて参加させていただきましたが、テーマが「五島列島と古代文学」ということでしたので、場違いの選抜かと思いました。犬養万葉記念館館長としての肩書でしたので、犬養孝先生が万葉故地「みいらく」を有名になさった功績から、自己紹介で私も存じ上げている町づくりの流れと感想を述べさせて頂き、エールを送らせていただきました。残念だったことは、今回フォーラムに協力、後援もしておられた瀬戸内海文化を考える会・龍短歌会の小見山輝代表が7月に逝去され、ご出演がかなわなかったことでした。豪放磊落で、博識で、人間味あふれる小見山先生がいらっしゃらなかったことは本当に寂しかったです。また、初めてお目にかかった野口市太郎五島市長は、終始ホストに徹してくださり、いろいろお気遣いをいただきました。三井楽=五島市のため・・・というお気持ちは十分に伝わりました。今後市長さまにはよりご理解を深めていただきたいものです。
最後に、私たちもコンサートをさせていただきました。3年前、岡本三千代サンクスコンサートとして押しかけコンサートをさせて頂き、再びチャンスを頂くなんて夢のようでした。新生うたがたり会のメンバーで30分のステージでしたが、私もこだわりのおかもワールドのプログラムをと、メインの「荒雄物語」に、「遣唐使の母の歌」、遣唐使賛歌「海のシルクロード」を地元作曲のものと、私のオリジナルのメドレー、また潜伏キリシタンの里であり私もカトリック信者ですので「アヴェマリア」、大好きなユーミンが近くの奈留島の高校のために作った準校歌「瞳を閉じて」を演奏しました。アヴェマリアを独唱した上未歩さんは、「声楽家としてこの地でアヴェマリアを歌えることの幸せ、冥利!」と言ってくれました。よかった。
実行委員長をされた谷川さん、お疲れ様でした。準備、設営された三井楽町(五島支所)の役場の皆さん本当にありがとうございました。目的である、地元の方々にどれだけ発信が届いたことでしょう。そして、私たちは「三井楽町」の存在や、長いみなさんの努力を語り継ぐことが今後のミッションだと理解しております。偶然とはいえ、犬養先生の没後20年に開かれたことを強く意識して、これからも三井楽を愛し、見守り続けていたいと強く思いました!!!