めずらしいパイプオルガン

奈良カトリック教会の聖堂で、日本ではじめてお目見えしただろうと思われる
16世紀のルネサンスパイプオルガンの演奏会がありました。
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主催は大伴家持の歌碑を自宅に建立された佐保山茶論です。オーナー岡本さんの伯父さんの
中西光彦氏(前東大寺学園国語教諭)が、趣味(と言うと失礼ですね。)の延長で
奈良県の山添村の自宅工房で復元されました。そのオルガンのお披露目に、盲目の著名な
演奏家武久源造氏が、演奏されました。
終日の雨や、響きのよい聖堂とは言え、観客のための音色の最良のオルガン位置など、
悪?条件をクリアーして、聖堂の中央に設置されたオルガンは、大変立体的で、かわいい
パイプオルガンでした。立体的というのは、このオルガンは、手動のふいご式で、空気を
送り、10キロもある(持って見て、重かったです。)2つのふいごを「ふいご手」と
言われる役割の人がいないと、演奏ができない楽器です。
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鍵盤は、ミニ鍵盤なので、チェンバロのように小ぶりで私などは弾きなれないサイズです。
数えると25鍵ありました。ストップは9つ。
時代的に、ヨーロッパでも村のコミュニテイが「教会」であったことで、人が集まり、
歌ったり踊ったり…に合わせて庶民的な小曲が多く演奏されたそうで、今回も舞曲や軽快な
曲が、当時のように他楽器(打楽器やバイオリン)も伴い、演奏されました。
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私はいくつかの思いを持ちながら聞いていました。
聖堂で、貴重なルネサンスのオルガン音楽が響いたことは、まさに神様への賛美にほか
なりません。この場所で開かれたことを感謝しました。
盲目の演奏家、武久さんの演奏力はもちろんのこと、明るさとお話の巧みなこと…。
オルガンのこと、音曲、音楽の背景、いろんな学びがありましたが、盲目のピアニスト辻井
伸行君も話題の人ですが、あの細かな鍵盤を見ることなく演奏できる技術のマジック?
ミラクル?に尊敬でした。健常者で2つの瞳であたりまえに生活しながら、見落とすこと、
見抜くこと、しっかり見ることが私たちにはどれだけできているのだろうか…。
問われたような気もしました。
もうひとつ、演奏会の視野でもっとも目立たれた、武久氏のお弟子さんの山口さんと言う
お嬢さま(演奏家)が、演奏のお手伝い、ふいご手、ストッパー、そして先生の誘導など、
何役もこなしながら協力されていました。その師弟関係を、私と犬養先生に照らし合わせ
ながらなつかしく拝見していました。
教会の聖歌隊のお仲間とご一緒に出かけましたが、雨もまた楽し…。久しぶりに心温かな
時間が過ごせました。中西さんは、解体図データがあるから…と簡単におっしゃいましたが、
「復元」することのすごさ!!! 主催の岡本さんが、遷都記念事業のテーマとして、
大極殿と同じ「復元」という表現をされましたが、まさに歴史・文化を回顧するもうひとつ
のよい機会だったと思います。
このタイプのオルガンが、織田信長の屋敷に所蔵されていたかも…なんて、驚き!
またこれはかわいい、竪琴ではなく、膝で弾くパイプオルガンです。
天使が弾きそうなきがしました。私の守護聖人セシリアなどは、弾いていたのかなあ。
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