久しぶりの高岡!

恒例の高岡市万葉歴史館の夏の万葉セミナーに行ってきました。
歴史館の庭には、ひおうぎがきれいでした。梨の木にセミが…。
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いつもながら、一般に開かれた講座ですが、いつも企画されたテーマは、
興味深く、内容も月日を重ねるごと、レベルも高くなっています。
著名な万葉学者の講義に直接親しめる貴重な機会でもあり、今年は
「歴史の中の万葉集」ということで、2日間を通して5人の先生方のお話の
流れと関わりは受講者も興味深かったことと思います。
栄原永遠男先生の「歌木簡」の発見から、万葉歌がどのように伝えられて
きたか、歌をどのように活用していたのか、文字はいつから…などと
類推したり、研究の材料が出てくることは、本当に「面白い!!!」
そして、山崎福之先生は、「原文に至る道」というテーマでした。
今日私たちはあたりまえのように万葉歌を読んでいますが、原本のない
「万葉集」が、写本として世に出てから、時代と共に書き写されたり、
訓詁をいかに施していき、どのように考証され、一般的な読みを確立して
いったかという経緯など、例をあげてご説明下さいました。これも「面白い!」
2日めは、引き続き遠藤宏先生の「近世の万葉集研究」として、鎌倉時代の
仙覚から、国学の隆盛と共に盛んになった江戸期の万葉集研究の歴史などを
お話し下さり、時期を近くして、古い説の集大成と競うように注目された
新研究書との因果関係などにも触れられました。ふむふむ。
そして、今回楽しみだったのは、中世文学や和歌史の権威、久保田淳先生
の「中世和歌と万葉集」そして、源氏物語の権威秋山虔先生の「源氏物語は
万葉集をどう受けたか」の、ご自身の研究を通して客観的に万葉集を語られる
ことが興味深かった。お二人の共通点は手書きのレジメ!(世代を感じました。)
そして、まだまだ研究の余地を謙遜されるお人柄に、深く敬意を抱きました。
今回、特筆すべきは?、いつもならご自身の講義が終わられたら、すぐに帰途に
つかれる先生方も多い中、5人揃われて2日間の全員の講義を聞かれたことでした。
それゆえ2日間の流れも出たのでしょうか。
柿本人麻呂も「東の野に炎の立つ見えてかえり見すれば月かたぶきぬ」の歌が
各先生方の講義の随所に出てきたことに恐縮していることでしょう!(笑)
やはり高岡の万葉環境は素晴らしい!
今回奈良女子大から坂本先生の門下生が5名来越! 図書室の充実や
資料・論文の完備、セミナーの企画などに感心したことと思います。
私も体調を崩して、実はすっかり勉強から遠のいていたのですが、とっても
刺激を受けました。やはり万葉集は奥深い!
帰りの高岡駅で、講師のお一人の山崎福之先生を見つけ、うれしくて(ご迷惑と
思いましたが)一方的に私の名刺をお渡しして、感謝を申し上げました。
大学院の演習で万葉集の訓詁に苦労しているので、今回少し理屈がわかりました。
楽しい「高岡の旅」で、余は満足じゃ!!!!! 


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