ぽっかり・ほっこり・にっこり

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美しい月の1週間、毎夜見守られながら、忙しく過ごした。
まだ夜の明けない朝の6時ころも残月が西の空から私の目覚めを促す。
いつも安らぎを与えてくれる「月」。大好きだ。
月曜に学内の国語国文学会特別講義として、佐佐木幸綱氏の「歌の力」
という講演会が行われた。やはり歌人の「感性」のあふれる視点や解釈には、
なるほどと思われることがたくさんあり、興味深い。話の冒頭で、
待ちがてに 我がする月は 妹が着る 御笠の山に こもりてありけり
                         (巻6-987)
の「こもる」について、日本の表現的「こもる」例をいくつか示されたあと
この歌についても「月がよみがえる」ようなニュアンスを説明されたが、
年中「月」を心待ちにする私としては、その状況がすごく共感できた。
くっきり見えては、いざという時に雲に隠れ、角度から山の端に隠れ、
じらされながら、再びの月を待つような…そんな心持ちも感じさせる表現
でもあるようだ。「こもる」の意に情感の奥行を思った。
7日から11日まで行われた娘の芝居「書庫」は、設定が6階の地下室。
時を知らせる鐘だけが、生活の暦。光のない生活の中で夫婦は体も蝕まれていく。
久しぶりに夫が、地上に出て「太陽の明るさ」に適応できず、「光」に
対する哀しい自虐的なセリフの場面があるが、「人間には闇夜を凌ぐだけの
うす明りがあればそれでいいのだ…」という件に胸がつぶれた。
そっか、私は自分で「太陽の子」のような自負はあるが、「月」は、
「闇夜を和らぐやさしい光が、心に染み込む」そんなさりげない温かさが
私に「月」への思いをかきたてていたのかもしれないと気づいた。
私にとって月は神様へ取次いで頂いたり、犬養先生であったりする会話の
できる存在である。次の師走の月も楽しみだ・・・。
ところで、我が家の元気の素です。
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