東茂美先生の万葉講座

王塚古墳 001.jpg
<飯塚市歴史資料館で、嘉摩万葉講座があり、スケジュール的に躊躇 もあったが、東先生の「ますらおぶり」の明快な講話の大ファンなので、 思い切って夜行バスで出かけた。 また今回は、ご専門の「山上憶良」ではなく、「高市黒人」の歌がテーマだった ことも魅力的だった。 旅の歌人!と思ってきたが、お話を聞くうちに、黒人が「孤愁の人」であり、 歌の中で「現実」を排除するかのごとく、静かな「光景画」の歌を詠んでいる 技巧派の歌人であることをあらためて感じた。 旅は「魂」が浮遊する時なのだ。自分への鎮魂歌なのか。なるほど・・・。 私は扇野聖史さんが作曲された「黒人流離」は、名曲だと敬服しているが、 講座を受けながら、しみじみとしたメロデイが蘇ってきた。 そして3月に除幕されたばかりの桂川町の犬養先生の歌碑を再訪問した。 福北ゆたか線の「桂川」の駅からの道も覚えておきたいと電車移動。 駅からは1キロもない。古墳の裏側に到着。 王塚古墳 003.jpg
王塚装飾古墳館もあり、昭和9年に発見された「古墳」は、周辺が整備され、
敷地は色とりどりの草花に飾られ、公園もある。広大な素晴らしいエリアが
確保されている。歌碑も大きな石だが、違和感はない。恵まれた場所に
建立して頂き、本当にうれしい。
近くにベンチもあり、私も読書したり、お茶を飲んだり、ゆっくりできた。
古墳館で流しておられるビデオを見てびっくり。兄弟分の高松塚を紹介された映像で、
な、なんと犬養先生が、佐藤栄作ご夫妻を明日香村へ案内されているシーンが
映っている。開館時から放映されていたそうなので、「やっぱり犬養先生は
この地にご縁があったのだ!」と得心した。
風も心地よく、緑なす古墳の裾野には、ツバナがそよいでいた。
大宰府万葉の会を指導して来られた山内勇哲先生が亡くなられたと聞いた。
飯塚の「鮭神社」を案内してくださった中島忠雄先生も亡くなられた。
あちらの世界もずいぶんにぎやかになってきたようだ。
王塚古墳の地に居て、多くの人々の魂が「千の風になって」私のもとに
運ばれてきたような、悲しいのではなく、懐かしい気持ちになった。
また来ますね。今度は9月!犬養先生の十年命日祭の翌日だ。
先生の魂は疾風のごとく、全国を駆け巡る???(笑)
王塚古墳 005.jpg


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