コープカルチャー万葉旅行「宇陀の里を訪ねる」

私が講座をさせて頂いている宝塚コープカルチャーで、春と秋に万葉の散策を
行っています。
第1回はもちろん明日香村。そして2度目に昨秋に山の辺の道(桜井編)を訪れ
ました。その後にアンケートをとり次回の希望地を訪ねたところ、山の辺の道の続き
と同じくらいの人気が「宇陀の阿騎野」でした。
季節も考慮して、宝塚からの時間的距離は遠いですが、拠点の故地めぐりと言うことで、
いよいよ5月23日に宇陀の里を訪ねました。
私たちが犬養先生の万葉旅行で体験させて頂いたのは、近鉄朝倉駅から出発し、狛峠を越えて
山越えをしながら「かぎろひの丘」へ到達する古代の「道」です。阿騎野が夕方の最終地点
でしたので、阿騎野と言っても阿紀神社とかぎろひの丘と、後の発掘の中ノ庄遺跡くらい
しか行ったことのない私でしたが、今回は「万葉の故地」と秋山氏が開いた「松山」よいう
町並みの歴史散策の二本立てが目的となりました。
下見は3月でしたので、殺風景な寒々とした光景でしたが、一転、季節の草花だけではなく、
青々と雑草の緑も美しく、初夏を思わせるような1日でした。
この花が、宇陀市の花、かざぐるまです。はじめて見ました。
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近鉄榛原駅から、奈良交通バスで大宇陀へ。大宇陀のバス停留所が道の駅でもあるので、
ここが終点でもあり、発着の起点でもあります。
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午前中は、大宇陀で発掘された行宮跡の中ノ庄遺跡へ。今は人麻呂公園と名付けられて
遺跡の上に、宮柱の再現や、古代の竪穴式復元住宅や、馬上の人麻呂の石像がシンボル
となって、画期的な歴史的事実の紹介がなされています。
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そこから、阿紀神社へ。万葉歌碑がありました。そして、かぎろひの丘へ登り、
全員で東の方を臨みました。
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もう40回と言う「かぎろひを観る会」の時にはにぎわうこの場所も、平日は誰にも出会う
ことのない、もったいないような静謐の丘です。
中ノ庄遺跡が発掘されるまでは、この丘で野宿をしていたのかも…と考えられていた
この場所には、書き下された佐佐木信綱さんの万葉歌碑が建立されています。
ゆっくり過ごした後、丘のふもとの今は大宇陀地域事務所となった(合併前は大宇陀町役場)
建物の隣にある中央公民館へ。ここには、中山画伯の「阿騎野の朝」という大壁画があり、
見学させて頂きました。
(その時に、山崎直子さんの朝顔の種まきの話を聞きました。)HP
そして、昼食は道の駅へ戻り、レストラン甘羅(かむら)で、人麻呂膳を賞味しました。
ネーミングのこだわりが感じられないフツーのお食事でした。(笑)
食後に地元名産のブルーベリーのソフトクリームを食べ、午後の散策に出発。
午後は、宇陀の里として今熱心に取り組んでおられる松山の街並み見学でした。
宇陀松山地区は商家町として、2006年の7月に重要伝統的建造物群保存地区に選定
され、奈良県で今井町・五条町の3つだけしか選ばれていません。
家、屋敷など建物の特徴の面白さや、もともと薬の町として賑わったことから、森野薬草園を
はじめとして、有名なお薬屋さんの発祥の場所として有名だそうでした。
森野薬草園は、吉野葛の加工・販売で有名ですが、また江戸時代からの広大な薬草園を
公開しておられるので、全員で1時間以上かけて、ゆっくり楽しみました。
来春は是非かたかごの群落もみてみたいな…。
時折、車が通る街道筋を散策して、かつて城下町の出入り口にできた黒門まで…。
全員で記念写真を写しました。
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お天気にも恵まれ、予定の時間通りみなさんきちんと過ごしてくださり、私も気持ち良い
1日を過ごさせて頂きました。
現地で万葉の歌を味わい、歴史に思いを馳せ、その実体験をしているかのような臨場感は
万葉の旅の醍醐味です。
またの機会を約束しながら、春の万葉講座は無事終了いたしました。


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