言霊の助くる国

被災地で、「言葉は無力ではない」と発信を続ける詩人や歌人の記事を読んだ。
現地にて 陣頭指揮とる 一人の 政治家おらぬ 日本の不幸(長谷川櫂)・・・同感!
なぜ短歌なのか。
「俳句より長い分、嘆き、怒り、悲しみなどの感情をストレートに表せる…。」という。
また、「詩歌は人間の人生や運命に寄り添って、喜びも悲しみもすべて詠み、今日本人が
感じていることを言葉で伝えることが、詩人、歌人の使命」ともあった。
この記事は、被災地からの恐怖・悲しみ・切迫した思いを「言葉」で紡ごうというもので
あったが、「言葉の力」を信じ、言葉の豊かさを取り戻し、紀貫之の「歌は天地を動かす」
という言葉の引用などから、すぐに私は『万葉集』に詠まれた歌の臨場感を想像したし、
また、言葉や歌の持つ力についてあらためて考えさせられた。
昨年、万葉うたがたりの30周年を記念して、作った曲が「言霊の幸はふ国へ」。
2首の万葉歌は、柿本人麻呂の歌であるが、遣唐使の餞別歌として作られたとも言われる。
メッセージは、「言葉が祝福をもたらし、無事であってほしいことを、波が打ち寄せる
ように、何度でも重ねて事挙げをする。」
「日本は言葉の魂が(言霊)が、人を助ける国である。無事であってほしい。」
コンサートでご披露した時以上に、東日本大震災も経て、混迷の日本に対して切実に
万葉歌の思いが今に重なる。
日本よ、よくなれ、頑張れ…と託すことではない。
風評被害・報道・発信・非難・批判・責任転嫁と今は「言葉の暴力」が、横行し、ますます
悪い方向へ向かっていることが、私は許せないのだ。
「言葉」に魂や命があるだけ、よけいに慎重に、大事に言葉を選んでほしい。
磯城島の 大和の国は 言霊の 助くる国ぞ ま幸くありこそ。


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