悪いのは政治家だ!

福島第1原発の炉心溶融が現実のこととして公表された。
地震直後、この事態がおこらないことをだれしもが内心祈りながら、連日の報道がなされ、
時には、東京消防庁の「NHKプロジェクトX」を髣髴とさせるような、決死の注水が行われ、
その後も私たちは政府・保安院・東京電力の微妙に違う報告を聞きながら、過ごしてきた。
その時間経過が、メルトダウン(炉心溶融)の恐怖の今後をマヒさせ、連日マスコミを始め、
コメンテーターが、ひたすら収束のための工程表の批判や、変更を促している。
東日本に地震が起こり、津波が押し寄せ、自然の脅威と恐怖をあらためて、私たちは思い
知らされたが、それから先は、「人災」だ。
原発の不安、地球温暖化の影響となっている過分な電力消費、食の安全、経済不況などなど
すべて今日の問題が浮き彫りにされた。
民主党に政権交代し、長い自民党政治のすべての「つけ」を清算するための交代だったのか
と思えるほど、同情すべき状況に陥っている。
ともかく私は連日の新聞・テレビなどのマスコミ報道は、信用しないようになってきた。
この人災は、石川迪明氏が述べられたように、まさに戦争と言えるのだ。最悪の事態を予測
して作られた原発は、机上のこと。実際に天災がきっかけでおこった事故は、誰もが正しい
解決の方法を持たない前代未聞の事故なのだ。
東京電力の「非」はあるだろう。しかし毎日被爆しながら現場で対応している人たちのことを
思うと、気の毒でならない。マスコミで原子力が専門の多くの大学教授が出演して、解説?
対応方法などを述べておられる。口で言うのは簡単。政府と一体で日本の原子力開発を
すすめてきた東京大学への批判もあるのだろうか。
原子力保安院も以前から問題視されてきた半端な第3機関。今後消滅していくだろう。
しかし光明も見える。民主党に変わったからと思いたいが、東京電力をはじめ、電力会社の
独占が見直されるきっかけも生まれた。発電と、送電は、分離して売買ができることを初めて
知った。「東京電力」の今後が言われるが、地域独占企業としての体質が今後はっきりと
問われ、責任を果たさざるを得ないであろう。
また、火山国、地震国、活断層の多い日本、また島国日本の境界線の浜辺に多く作られた原発
依存の今後にも歯止めがかかってきた。
母たち全国オンブズマンは、安全性を問い、税金の無駄遣いを問い、反対運動を行ってきたが、
族議員の地元根回し、住民へ補償金の飴、安全神話を作り出し、強引に今日まで国家政策と
して行ってきた。先日静岡県の浜岡原発が、総理大臣命令で停止となった。活断層の上に
建てられている、もっとも危険な原発であるらしい。東日本大震災の余震、予測される東海・
南海地震に備えての早急対応に、私は当然だと思ったが、各県知事が「なぜ、浜岡だけなのか」
とか、「政府の見解を示せ」とか、一斉にブーイングが起こったが、そのことの方が私は理解
できなかった。現在の「戦争」があらたに起こらないために、ともかく危険なものは封印する
ことは必至だ。「統一見解により、原発による電力供給はやめます」なんて、極端なことが
できるはずがないのに、「やめてもらったら困る」地元エゴも含めて、言いたい放題だ。
また、国民に「節電」「自然回帰」の覚悟も生まれてきた。こんな大惨事がなければ、謙虚に
受けとめる機会があったかどうか。我が家のマンションもオール電化だ。国策に乗せられた
ライフスタイルを余儀なくされ、節電対策も深刻だ。
被災地の収穫・事業の低下は、経済不況を増幅し、税金だけではなく物価の値上げも起こり始めている。
忍び寄っていた日本の危機が、地震から被爆まで及び、私たち日本人が神様に本当に試されている
ように思う。
「民主党」の中でも菅おろしや、被災後の党批判、再編・選挙のための再編成など、本当に
もっとも日本の再生を邪魔しているのは、国会議員をはじめとした政治家たちだと強く思う。
被災地へ行くでもなく、危機的状況で、議員報酬の削減を決めるでもなく、対策に直面して
いる政府の足を引っ張っているだけだ。
被災地や原発地域の人たちにも言いたい。推進・談合の議員に票を投じた「つけ」ですよ…と。
原因は地震・津波であるけど、それから後に起こったことは「現代戦争」である。
それをいかに乗り切れるか、国民の知恵と勇気と覚悟にかかっている。
日本が存続するか、沈没するか、神様が見ておられるであろう。


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